世界が注目する建築家・石上純也の代表作10選。型破りなデザインの魅力とは?水庭から洞窟レストラン、湖に浸かった美術館まで。
【3】アミューあつぎ8階 屋内広場・託児室・子育て支援センター/神奈川県厚木市
神奈川工科大学と同じく厚木市所在のこちらは、2014年にオープンした「アミューあつぎ」の8階にある子育て支援施設。もともとは商業施設の飲食店街だった約2,000㎡のフロアを全面改修した空間です。 雲を思わせるモルタル壁は、空間をふんわりと分節する間仕切りであると同時に、子供たちがよじ登ったり、くぐり抜けたりできる遊具としても設計されています。 所在地:神奈川県厚木市中町2-12-15
【4】水庭/栃木県那須郡
石上さんは、建築のみならずランドスケープの設計まで手掛けています。2024年4月に開業したホテル「那須 無垢の音(むくのね)」内にある庭園「水庭」。緑と水が溶けあうような美しい景色は多くのあ話題を呼びました。 石上さんのデザインのもと、かつては水田だった敷地に、大小さまざまな160個の池がつくられ、318本の木々が植えられています。 この木々たちは、もともと隣の宿泊施設の建設で伐採予定だったもの。1本1本、スケッチや測量を行い、模型上でどのように再配置するかを入念に検討したそうです。
【5】House & Restaurant 〈maison owl〉/山口県宇部市
続いてご紹介するのは、建築とランドスケープの中間に位置するような作品、山口県にあるレストラン「maison owl」です。まるで洞窟のようなこの空間は、「できるだけ重々しい建築を設計してほしい」というオーナーの要望に応えて出来上がったもの。 その建設方法が非常に特徴的で、地面に掘った穴に直接流し込んだコンクリートを掘り起こしてつくった、というのですから驚きです。 コンクリート塊にこびりついた土は、土壁の補修技術によってしっかりと固着させ、新築でありながら経年変化したような風合いと重厚感を演出しています。 テーブルや椅子も、このレストランのためにデザインしたもの。石上さんはこれまでもいくつか家具を手掛けており、独立後はじめてのプロジェクトは、「maison owl」のオーナーが別のレストランのために依頼したテーブルのデザインでした。 所在地:非公開