おせち料理の“いわれ”全部言えますか? 縁起の良い盛り付けと見栄えする「ワンプレートおせち」の作り方
今年も残すところあとわずか。 そろそろお正月に向けておせち料理の準備を始める家庭も多いのではないか。 【画像】手軽でかわいいワンプレートおせちの一例はこちら お正月は年神様(としがみさま)を我が家にお迎えして祝う新年最初の大切な行事。 家族の健康と幸せを願っておせち料理とお雑煮でお祝いするのが一般的だが、そもそもなぜおせち料理を食べるのか。 また食材の盛り付け方には、縁起の良い「並べ方」や「向き」、「品数」があることをご存知だろうか。 おせち料理の基礎知識について、紀文食品の広報担当・村田真由香さんに話を聞いた。
「おせち料理」は年神様へのお供え
「おせち料理は神様をお迎えする料理です。家に降りてきた年神様とおせち料理を食べることで祈りが届く、とも言われています。そのため実家に帰って食べるのも良いですが、それぞれの家で食べることに意味があります」 おせち料理はもともとは季節の変わり目の節句に神様にお供えした料理だが、お正月が一番重要な節句であることから、やがて「おせち料理」といえば正月料理をさすようになったという。 家族の幸せを願いながら年神様と共に食べる縁起ものの料理で、五穀豊穣、子孫繁栄、家族の安全と健康などの祈りを込めて山海の幸を盛り込むのが習わしだ。 では、どういった食材が使われ、それぞれにどのような意味が込められているのか見ていこう。 「紅白かまぼこ」 かまぼこは「日の出」を象徴するものとして元旦にはなくてはならない食材。紅はめでたさと慶びを、白は神聖を表している。 「伊達巻」(だてまき) 「伊達」とは派手や豪華という意味で、昔はおしゃれな男性を「伊達者」と呼んでいたが、そんな伊達者たちの着物の柄に似ていたことから「伊達巻」と呼ばれるようになった。また、昔は大事な文書や絵は巻物にしていたため、おせち料理には巻いた料理が多くあるという。 「栗きんとん」 栗は山の幸の代表格で「勝ち栗」と言って縁起が良い。黄金色に輝く財宝にたとえて豊かな1年を願う料理。 「黒豆」 「まめに働く」などの語呂合わせから、おせち料理には欠かせない料理。「まめ」には丈夫・健康という意味があり、「元気に働けますように」という願いが込められている。 「昆布巻」 「喜ぶ」の言葉にかけて一家発展を願う縁起もの。 「田作り」 カタクチイワシの小魚(ごまめ)で作った料理。昔は肥料として小魚を田畑に撒いていたことから豊作の願いを込めて「田作り」と呼ばれるようになった。 「小肌粟漬」 小肌はコノシロという魚の成魚になる前の名前で、“出世魚”とされるため将来の出世を祈願する縁起もの。 「数の子」 数の子はニシンの卵。「二親(にしん)」から多くの子が生まれるように、子孫繁栄と二親健在を祈っている。 「えび」 長いひげをはやし、腰が曲がるまで長生きするようにという願いが込められている。 おせち料理のいわれがわかったところで、次は、重箱に詰める際に覚えておくとより縁起が良くなるポイントを見て行こう。