ジョコビッチ国外退去の衝撃と波紋…セルビア大統領は激怒し落胆マリーは収束願う…「この決定はスキャンダルだ」
欧州をカバーしているユーロスポーツは、グランドスラム7度優勝のマッツ・ビランデル氏の見解をたっぷりと紹介した。 同氏は、「(連邦裁判所の国外退去の判断に)驚き衝撃を受けた。ノバクが(異議申し立てをして)トライしたことは称賛したいが、彼は、同時にワクチン接種義務の規則によって何らかの問題が起きることを理解していたはず。この判決はフェアだったと思う。世界中で何百万という人々が新型コロナにより亡くなっており、豪州は、完全なロックダウンに入ることが決められ、人々は精神的にも身体的にも苦しんできている」と連邦裁判所の決定を支持した。 そして「判事の決断は、我々のスポーツの歴史をもしかしたら変えるかもしれない」と、今後の見通しについて語った。 同メディアによると、フランスのロクサナ・マラシネアヌ・スポーツ担当大臣は、「ジョコビッチはワクチン接種の状況にかかわらず全仏OPでプレーできるだろう」と発言しており、全仏OPに出場できる可能性は高いが、「全英と全米の規則には(出場に)疑念が残る」という。またクレーコートの全仏OPは2016年、2021年と2度優勝しているが、4大大会で最も不得意としている大会だ。 ビランデル氏は、その上で、ジョコビッチの“今後”をこう指摘した。 「他の選手たちはノバクに勝てると考えていると思う。ノバクの精神状態が今どのようなものかは想像できないが、彼は戦士だ。家に戻りトレーニングをして準備を進めるだろう。最大の疑問は、これからも彼が世界中を周ることができるのかということ。どれだけ多くの大会でプレーが許され、そして最終的には彼がワクチン接種を受けるのかどうか。新しい世界ランキング1位の選手が出てくることも考えられる。彼のキャリアは危険にさらされていて、本当に望まないことをしなければならないかもしれない」 また豪州の移民法は、国外退去を命じた人物には、むこう3年間、入国ビザを発行しないと定めており、ジョコビッチが今年だけでなく来年、再来年の全豪OPに出場できない可能性があるという。 ただこれに関しては豪メディアのnews.com.auは、「彼を出場させるための特例はある。豪州の国益に影響するやむを得ない事情、豪州市民や永住者の利害に関係する特別な事情を含めた特定の状況の中で免除される」と指摘。 ジョコビッチが豪政府に嘆願すれば、3年間の入国禁止が免除される可能性があり、元移民局の副秘書官の話として「大臣はそれを許可するだろう」という見通しも紹介されていた。 ここから先もジョコビッチの動向に注目が集まりそうだ。