激震!なぜ日本プロボクシング協会は異例のJBCに執行理事「辞職要望書」の提出を決議したのか?
日本プロボクシング協会(JPBA、花形進会長))は16日、都内で理事会を開き、日本ボクシングコミッション(JBC)に浦谷信彰執行理事の辞職を求める要望書を出すことを決議した。昨年大晦日のWBO世界スーパーフライ級王者、井岡一翔(志成)と元3階級制覇王者、田中恒成(畑中)の世界戦で、井岡に対して起きたドーピング問題の不手際に端を発したJBCのガバナンスを問題視し、実務の責任者である浦谷信彰執行理事の辞職を求めるもの。要望書は、週明けの18日にもJBCに提出され、回答期限を10月末に設定しているという。 ただ組織の責任者である永田有平理事長には同様の責任を求めないという不可解な要求にもなった。今後のJBCの対応及び、組織の改革の行方に注目される。また長年の検討事項でありながら、日本のボクシング界には設立されていなかった「日本ボクシング殿堂(仮名)」の設立準備委員会の立ち上げも承認された。日本スポーツ界では野球殿堂、サッカー、プロゴルフ殿堂、アメリカンフットボール殿堂などがある。
「一番責任を追及されるべき人物」
JPBAはプロボクシング界の“法の番人“JBCの組織運営が正しい方向へ向かうために異例とも言える厳しい要求を突き付けた。JBCの実務の責任者である浦谷執行理事の辞職を求める要望書の提出を理事会で決議したのだ。 新田渉世事務局長の説明によると「ドーピング問題に端を発した全体的なガバナンスに問題意識を持った。浦谷さんは、長くJBCの責任者として采配されている。協会としては、一番責任を追及すべき人物だと、我々が判断した」という。執行理事の立場だけではなく、JBCからの“追放”を求めるのだから、かなり異例の要望である。 実はJPBAが動いたのには背景がある。 JBCは9月下旬に理事会を開き、大晦日の世界戦で起きた井岡のドーピング問題時に起きた週刊誌への情報リークなどの問題を調査していた情報漏洩調査委員会の答申報告を行った。こういう重要な理事会をマスコミにアナウンスせず秘密裡に行うこと自体、組織のガバナンスが機能していない証拠だが、そこでの調査委員会の答申は、「情報漏洩の正確な経緯や情報漏洩者などの確定はできない」というものだったという。 井岡のドーピング問題で不手際を起こした責任を取り、永田理事長と、浦谷執行理事は進退伺いを提出。この理事会に結論を委ねるとしていたが、承認されることもなく、すべての責任の所在が、ウヤムヤのまま「厳重注意」などの内輪の甘い処分で9か月も先延ばしにされている責任問題が処理されそうな方向性がうかがえた。JPBAからもJBCの理事に入っている花形協会長らが出席したが、その曖昧な姿勢を問題視。今回、JPBAの理事会で責任を追及する厳しい決議がなされたものだ。