なぜドーピング潔白が証明された井岡一翔は「絶対に許せない」とJBCへ怒りをぶちまけたのか…検体を腐らせトップは辞任否定
プロボクシングの4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32、Ambition)が19日、都内のホテルで服部真尚弁護士と共に緊急会見を行い、潔白が証明されたドーピング疑惑問題への心境を語った 井岡は、大晦日に行われた元3階級制覇王者、田中恒成(25、畑中)との防衛戦でのドーピング検査で禁止薬物が検出され、その後、週刊誌報道などをされて大騒動となったが、調査、審議を行っていた日本ボクシングコミッション(JBC)は、この日、判断を委託していた倫理委員会の答申書を公表して「ドーピング違反はなく処分なし」の結論を発表した。 濃紺のスーツ姿で濃紺のネクタイを締めて会見に現れた井岡は、すでに前日にJBCから「ドーピング違反がなかった」との報告を受けていた。井岡は一貫して無実を主張してきたが、公に潔白が証明され、安堵の表情を浮かべた。 「今日という日を待ちに待っていた。自分の中で不正など一切していませんし、ボクシングと向きあう上で、そういう気持ちはまったくない。自分の中ではわかっていても報道が先走り、そういう目で見られていくんだろうと感じていた、じゃあ、どう(無実を)証明していくのか。僕の力だけではなんともできなかった。今日を迎えられたことに、服部先生や関係者の方々に感謝したい。心配させた方々に謝る気持ちはないが、今後とも僕の人生においてボクシングと向き合う上でそういうこと(ドーピング違反などの不正)はない、と言いたい。そんなにボクシングは甘くない。21歳で世界王者になってから、1年1年、ここまで積み上げてこれたのも、練習の質だったり、普段自分と向き合っているから。後ろめたい気持ちではボクシングと向き合っていない」 元名古屋高等検察庁検事長の青沼隆之弁護士(シティユーワ法律事務所)を委員長に貞弘賢太郎弁護士(同)、氏名非公表の専門家(医学博士,日本スポーツ協会公認スポーツドクター,日本アンチ・ドーピング機構=JADA学術委員会委員・TUE 委員会委員)の3人のJBC外部の人間で構成された倫理委員会は、4月20日に発足し、5月11日に行った井岡のヒアリングなどを経て、この日、「ドーピング検査の結果をもって審議対象者(井岡)の検体に JBC アンチ・ドーピング規定で禁止されている禁止物質が存在したと認定することは困難。『禁止薬物を摂取したことはなく検査結果については全く心当たりがない』という審議対象者(井岡)の主張の信用性を否定しJBC アンチ・ ドーピング規定違反の責任を問うに足る証拠も存しない」との答申をまとめた。 それを受けJBCは理事会を開き「ドーピング違反はなく処分なし」と決定し正式に発表した。 答申ではJBCが井岡から摂取した検体は、A検体もB検体も本来ならば冷凍保存されなければならないもののJBCの管理が杜撰だったため“尿”が腐敗し、ドーピング違反物質が生成された可能性があることを医科学的な証言や分析をもとに詳しく解明されていた。