千葉ロッテ“令和の怪物”佐々木朗希がデビュー戦で見せた光と影…大谷翔平のデビュー時との違いとは?
千葉ロッテの2019年のドラフト1位、佐々木朗希(19)が16日、本拠地のZOZOマリンで行われた西武戦にプロ初先発、5回107球を投げ6安打5奪三振の4失点(自責2)の投球内容だった。6-4のスコアで勝利投手の権利を得て降板したが、8回に同点とされ初登板初白星とはならなかった。ストレートの平均は150キロを超えて最速は154キロ。2四球を与えたが、制球は安定し、5つの三振のうち4つをフォークで奪うなど大器の片鱗を見せた。一方で5盗塁を許すなど課題も浮き彫りになり、今日にも登録抹消され再度ファームで調整することとなった。佐々木の可能性について専門家の意見を聞いた。
5回4失点のプロ洗礼
記念すべきプロ第1球は151キロのストレート。だが、真ん中高めに浮いたそれを西武のルーキー若林に三遊間に狙い打たれ、佐々木はマウンド上で「ふふ」と笑った。タダモノではない。 続く源田の打席で盗塁を許し、一死から森に“落ちなかったフォーク“をセンター前に運ばれ一死一、三塁のピンチを招いた。しかし、ここからが並のルーキーとは違うところ。 4番の山川を落差のあるフォークでスイングアウト。5番の巧打者、栗山に対しては153キロのストレートを続けて追い込んでから、佐藤のサインにクビを振ってフォークを選択。レフトフライに打ち取った。 2回は呉をフォーク、スパンジェンバーグから、この日最速となる154キロのストレートで三振を奪う。昨季15本塁打のマルチプレーヤーが完全に振り遅れていた。 ここでリズムに乗りたいところだったが、3回に先頭の金子を一塁へのゴロに打ち取りながらも、処理したレアードがボールが手につかずカバーに入った佐々木へのトスをミスした。金子にも続く若林の初球に盗塁され、若林にはフォークを捉えられてセンター前ヒットでプロ初失点。若林にまた二塁へ走られてから源田に内角に投じた151キロのストレートを痛打された。右中間を破るタイムリー三塁打。さらに森への四球を挟み、栗山にはセンターへの犠飛を打たれ、初回の荻野、マーティンの連続本塁打などでもらった4点のリードがみるみるうちに1点になってしまった。 井口監督は「85球から100球をメド」としていた。 球数は4回を終え86球だったが、勝利権利があったため、5回も続投。外野フライでも同点となる一死三塁から山川をフォークで見逃しの三振に斬ったが、二死になってから栗山への初球のフォークがワンバウンド。これをなんと佐藤がトンネルして同点の走者の生還を許した。記録は暴投だが、捕手が止めなければならないボール。佐々木のプロデビュー戦は4失点のホロ苦いものになったが、やはり持っている男なのだろう。その裏、この日2本目となるマーティンの勝ち越し2ランが飛び出してプロ初勝利の権利が復活したのだ。 しかし、8回にセットアッパーの唐川が崩れて、再び同点にされ、佐々木のプロ初勝利は次回以降にお預けとなった。 「緊張はあまりなかったです。真っすぐは、ある程度はコントロールできたんですけど、変化球が抜けてしまう球が多く、そこでカウントも不利になってしまった。修正していきたいです」 佐々木は広報を通じて、こう談話を伝えた。