なぜ横浜DeNAは巨人戦で”連夜の悪夢”を見たのか…負の連鎖と糾弾されるべき怠慢プレー
横浜DeNAがまた巨人に勝てなかった。12日、横浜スタジアムで行われた巨人8回戦で横浜DeNAは、8回二死一塁からネフタリ・ソト(32)が逆転の4号2ラン、FAで巨人に移籍した井納翔一(35)からルーキーの牧秀悟(23)が8号ソロと続き、逃げ切り態勢に入ったが、9回に守護神の三嶋一輝(31)が2夜連続の背信。二死から岡本和真(24)に痛恨の同点8号2ランを浴び5-5の「負けに等しい引き分け」に終わった。これで巨人と8戦を戦い0勝3分け。なぜ巨人に勝てないのか。その理由が浮き彫りになったゲームだった。
シュート回転の逆球…岡本に土壇場で同点2ラン
ハマスタが連夜の悪夢にうなされた。 5-3で迎えた9回二死一塁。マウンドには守護神の三嶋が立ち、対巨人今季初勝利まであと一人に迫っていた。打席では、巨人の4番、岡本が悠然と構えていた。この日は、先制タイムリーを含む2安打。要注意だった。8回からマスクをかぶった戸柱は初球にストレートを要求した。外角に構えていたが、シュート回転したボールは逆球となってインコースへと向かった。岡本は、それを見逃してストライクとなったが、ここで戸柱は、このボールの選択が危ないことを察知すべきだった。三嶋は、前夜も2-2の同点からマウンドに上がり、若林、吉川の伏兵2人に連続本塁打を浴びて救援に失敗している。なおさら、いいボールを投げようと力みが生まれ、その投球フォームに明らかに”投げ急ぎ”の傾向がみられていた。ボールがシュート回転する理由である。 だが、戸柱はミットを外角に構え、続けて、その危険なストレートを要求した。シュート回転したボールが吸い込まれるように真ん中に入り、岡本がジャストミート。同点の8号2ランはバックスクリーンの右まで飛んだ。三嶋はマウンドでしゃがみこんだ。 「ちょっと逆球がね。2アウトまではよかったが、その後にヒット(丸のライト前)とホームラン。あと(アウト)一つと、力が入ったところで失投を見逃されなかった。外…逆球がいっていましたからね」 三浦監督も守護神の連夜の背信をそう嘆いた。 長年エースを張った指揮官も「力が入った」ことがシュート回転のボールにつながったことを見抜いていた。戸柱は6試合スタメンから外れていた。試合勘という意味で、察知能力が薄れていたのであれば、ベンチが配球を指示すべきであった。岡本の次は中島である。ここは本塁打だけを避けなければならない場面。たとえ同点の走者となっても岡本を歩かせての中島勝負でも良かったのかもしれない。 防ぐことのできたホームランである。負けが込んでの負の連鎖。ベンチも含めて選択肢に余裕がないのだ。