まるで絵本の世界! イラストレーターの美意識にあふれたラブリーなお家。
Step inside Katharine's house.
"Garden of England(イギリスの庭)"と呼ばれる緑豊かなロンドン郊外ケント地方に暮らすギャンブル五月が、個性豊かなイギリス人の自宅インテリアを紹介。初回はイラストレーター、キャサリンのまるで絵本の世界に迷い込んだかのようなご自宅を案内します。
イラストレーター、キャサリンのおうちは、いつ伺っても自然と笑みがこぼれる、とびっきりチャーミングな空間。小物やアートが絶妙な配置で並んでいて、まるで彼女自身の絵本の世界に迷い込んだかのよう。
キャサリンが築100年のこの家を購入したのは20年前。ロンドンへ電車で通える距離で、海にも近い立地が決め手になったのだそう。「鉄道の建設ブームで国中が湧いていたヴィクトリア時代に、工事に携わる労働者用に建てられた集合住宅の中の一軒だったんですよ」と教えてくれた。長い一日を終えて疲れ果てた労働者が、寝るためだけにこの場所に帰ってきたのであろうと思われる当時の背景に思いを馳せてみる。
それにしても壁や棚はもちろん、暖炉の上や窓枠(!)まで、一寸の隙間があろうものならディスプレイとして演出してしまう彼女の手腕には舌を巻く。
「好きなものやオブジェクトは隠さないで飾る主義。何かとミニマリストがもてはやされる時代ですけど、私はその真逆をいくマキシマリストですね」
12年前にリフォームし、天窓や庭へ繋がるフレンチドアを付け加えて、日差しがたくさん入る仕様にした。食事はもちろん仕事も子どもの宿題も、一日中のほとんどをこの大きなテーブルのエリアで過ごしていると言う。「夏の間、フレンチドアはずっと開けっ放しの状態で、庭までダイニングルームが広がるのがお気に入りです」 シングルマザーでもあるキャサリンに、将来のプランを聞いてみた。「私の世代はみんな80歳くらいまで働かないといけない予感がするので、リタイアすることは考えられないですね。でも、ずっと好きなものに囲まれた空間でイラストレーターの仕事を続けていければ、それはそれで幸せです!」