今「スタートアップ」で働く意義とは?日本最大級スタートアップ支援会社代表が語る日本企業のこれから
ライフハッカー・ジャパンとBOOK LAB TOKYOがコラボ開催するトークイベント「BOOK LAB TALK」。第38回目のゲストは、『スタートアップで働く』の著者・志水雄一郎(しみず・ゆういちろう)さんです。 今「スタートアップ」で働く意義とは?日本最大級スタートアップ支援会社代表が語る日本企業のこれから フォースタートアップス株式会社の代表であり、日本のスタートアップ黎明期から市場を見てきた「トップヘッドハンター」でもある志水さん。なぜ今、ビジネスパーソンがスタートアップを目指すべきなのか? その意義と、志水さん自身の情熱の源についてお話を伺いました。
なぜ日本の競争力は低下してしまったのか?
今年で52歳になるという志水さん。社内カンパニーを経て2016年に創業したフォースタートアップス株式会社は、2020年にスピード上場。 日本経済が停滞するなかで、起爆剤となりうるスタートアップを軸に据え、起業支援と転職支援、オープンイノベーション(異業種、異分野との交流から革新を起こすこと)などのエコシステム拡充を推進しています。 志水さんが追い求めるのは、かつて日本を牽引したソニー、ホンダ、トヨタのような企業を生み出した起業家精神。 日本はいつの間にか大企業至上主義になり、優秀な人材は大企業への就職・転職を目指し、大企業のコンサルをするコンサルティングファームに多くの頭脳が集まっています。 しかし株式時価総額ランキングを見てみると、日本でもアメリカでも、30年前に上位だった会社のほとんどは現在ランク外。「上位はこの30年でつくられた、今の時代が求めるプロダクトやソリューションを生み出してきた組織」だと志水さんは話します。 「この事実から言えるのは、日本が今もっとも注力すべきところは大企業の変革ではない、ということ。 既存の大企業が国の競争力を引き上げたという事例はありません。それができるのは、かつてのAppleやMicrosoft、NVIDIAがそうだったように、スタートアップなんです。 しかし日本では、自分から一次情報を掴みにいかない限りスタートアップを目指すきっかけがない。これは本当にもったいないことです」(志水さん、以下同) 10年前の自分は、日本が豊かな国だと勘違いしていた──と志水さん。しかし気がつけば、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた1980年代を境に日本の競争力は低下し続けている現実があります。 「この事実を認識した上で、もう一度、日本が豊かな国になることを目指す。そのための課題解決に取り組む責任が自らにもあるのだと思い、2016年の9月にフォースタートアップス株式会社(当時は株式会社ネットジンザイバンク)を創業しました」 人間は「社会のため、未来のため」に生きるという視座を持ち、行動することができる生き物。誰かがではなく、自分で「日本を豊かにする」ために何ができるのか、考えて行動してみてほしい。志水さんは私たちにそう語りかけました。