「7浪で一橋に合格」父と先生が放った強烈な一言 一橋にこだわった理由、猛勉強した彼のその後
浪人という選択を取る人が20年前と比べて2分の1になっている現在。「浪人してでも、志望する大学に行きたい」という人が減っている一方で、浪人生活を経験したことで、人生が変わった人もいます。自身も9年の浪人生活を経て早稲田大学に合格した濱井正吾さんが、さまざまな浪人経験者にインタビューをし、その道を選んでよかったこと・頑張れた理由などを追求していきます。今回は、1浪で岩手大学に進学するも、父親と予備校の担任を見返すために一橋大学の合格に人生を捧げ、学校の非常勤講師をしながら7浪で合格したささちかさんにお話を伺いました。 【写真】ドイツ語の参考書/現在のささちかさん
【東洋経済オンラインで2023年3月19日に公開した記事の再配信です】 みなさんは、大学の勉強が役に立たないと思ったことはありませんか。 「学生の学力は大学受験がピーク」と言われることもあるように、大学に入ってからはむしろ学力が衰退するイメージがあるかもしれません。 しかし、今回インタビューしたささちかさんは、1浪で進学した岩手大学の授業を受け続けて、その後の受験に通ずる確かな学力を身につけた後、7浪で一橋大学に合格しました。
■すべては一橋に合格するため猛勉強 岩手大学在学の際に取得した単位は245。これは一般的な大学の卒業要件単位が120程度であることを考えると、普通の学生の倍の勉強をしたことになります。これも、すべては一橋大学に合格するためでした。 何が彼を駆り立てたのか。なぜ、大学を一度卒業してまで一橋大学にこだわったのでしょうか。 1976年に中国地方に生まれたささちかさんは、生後1年半で岩手県に引っ越しました。岩手県での生活は、苦労が絶えなかったそうです。
「小学校から中学校にかけて、言葉遣いが普通の子と違うので”変わった子”として扱われました。だから、よくいじめのターゲットになりました」 「変わった子がいじめられる」環境を脱するため、ささちかさんは「学力水準が高いところに行けば、道徳的にまともな人がいる可能性が高いのではないか」と考え、猛勉強の末、岩手県内屈指の進学校に進みました。 実際、その考えは正しく、いじめられることは少なくなったと言います。