やる気が出ない、イライラする…深刻度を増す「男性の更年期障害」不調を一発チェンジする習慣&食材リスト
■不調があるうえ体重が増えたら要注意 このホルモンは「獲物を捕る」ことに成功するなどして人や社会からの評価を受けるとますます増えていく一方で、評価をもらえないと分泌が減っていくという特徴があります。男性の更年期障害は年齢が上がると発症しやすくなりますが、これは評価される機会が少なくなるからと考えられます。男性の場合は、30代から更年期障害になることもあり、必ずしも年齢というファクターだけが引き起こす症状ではないのです。 テストステロンの減少は、臓器の老化を進行させることがわかっています。ですから減少を放置してしまうと、気分が沈んだり、イライラしたり。また体力や仕事の能力が低下するだけでなく、認知症リスクが上がるなど健康寿命を縮めます。最悪の場合、死につながる重大な問題を引き起こすこともあります。 これをどう予防し、どう治療していけばいいのか。前述のような不調を感じたら、まずは家族など身近な人への聞き取りや自己診断で、更年期障害の可能性をチェックすることをおすすめしています。家族にもわかる兆候のポイントは、「体重が増えた」「夜中にトイレに行く」「笑わない」の大きく3つ。該当するようなら、今度はご本人が男性更年期障害の診断に国際的に使われる下のチェックシートで、自己診断を行ってみてください。ここには体重の項目はありませんが、私は体重増加も関係が深いと考えています。 うつ病は食欲不振などから体重が減ることが多い一方、男性更年期障害の場合はテストステロンの減少が筋肉量を減らし、体脂肪を増やすことがわかっています。つまり不調があり、かつ最近太ってきたと思う男性は、テストステロンが急激に減って更年期障害になっている可能性が大です。 そもそもテストステロンの減少がうつ病の発症にも関係していることは知られていますが、更年期障害の治療法と、うつ病の治療法は違います。とくにうつ病の治療に使われる抗うつ薬の一部は、テストステロンを減らすことがわかっています。抗うつ薬を2年間増やし続けても効果のなかった患者が、テストステロンを増やす療法を行ったら2カ月で改善したというケースもあるのです。早い時期に男性の更年期障害を疑い、適切な治療をすることが大切です。 男性の更年期障害の予防や治療には、個人でできることもたくさんあります。もっとも身近でできる予防法は、食べ物です。とくにビタミンDと亜鉛の摂取は、更年期障害に有効です。