参院選を前に論戦 「ネット党首討論」開催(全文3)うそを言ってもらっては困る
共産・志位委員長「憲法審査会は改憲原案を作る場。開く必要はない」
志井:安倍さんは、憲法を議論する党かしない党かが争点だと言っておられますが、私はそうじゃないと思っております。自民党の参院選公約では早期の憲法改正を目指すとあります。安倍首相による9条改定を許すかどうか、ここに争点があります。安倍9条改憲のどこが問題か、それを私、自ら明らかにしたのが自民党が取りまとめた憲法改正の条文案だと思います。条文案では9条2項のあとに、前条の規定は自衛の措置を取ることを妨げないとして自衛隊の保持を明記しています。前条の規定は妨げないということになりますと、2項の規定が自衛隊に及ばなくなります。2項が残っていても立ち枯れとなり、死文化してしまうことになります。無制限の海外での武力の行使が可能になってしまう。こうした方向には断固反対です。 本日、板門店で米朝首脳会談が行われたことは、私は膠着状態にあった米朝関係を前向きに打開し、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築という昨年6月のシンガポールでの米朝合意を具体化する重要な一歩として心から歓迎いたしました。今、安倍政権がなすべきは憲法を変えることじゃない。9条の精神に立って、昨年来起こっている北東アジアの平和プロセスを促進するための平和外交こそ必要です。なお、憲法審査会というのは憲法一般の議論をする場じゃありません。国会法102条で憲法改正原案を作る場です。そんなことは国民は望んでいない。ですから、開く必要はないというのが私たちの立場です。 夏野:ありがとうございました。では公明党、山口代表お願いします。
公明・山口代表「議論できる環境を与野党共に努力してつくるべき」
山口:あらためて公明党の憲法改正に望む考え方を申し上げます。現行の日本国憲法は極めて優れた憲法であり高く評価をしております。その上で国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義、この3つの3原理はこれからも堅持をしてまいります。その上で施行72年を経過した今日、憲法にふさわしい新しい価値観が生まれれば、あるいは法律や憲法の解釈では対応出来ない、憲法改正しかほかに手段がない、そういう課題が明らかになれば、これは新たな基底を加えていく、そういう加憲という考え方を採っております。 衆参の憲法審査会でこの1年間ほとんど議論が進んでいないのは、残念でなりません。この憲法について、落ち着いて議論ができる環境を与野党共に努力してつくるべきだと思います。特に手続き法である国民投票法については公職選挙法のレベルに合わせるような合意形成がすでにだいたいできているはずでありますから、こういうところから合意形成を確実な形に表していく、そういう歩みも採るべきではないでしょうか。 いずれにしてもこの与野党が議論を深める、そして国民の理解を求めていく、そうした憲法改正の議論のあり方を衆参共に考え直していくべきだと、こう思います。 夏野:ありがとうございます。では国民民主党、玉木代表お願いします。