「年末にまとめて大掃除」よりも効率的…汚れそうな場所に先回りして手間を減らす"予防掃除"4つの方法
■実践しやすい方法は人によって違う ただ、予防掃除の何が実践しやすいかは個人差がある。マスキングテープやシート類をセットする手間を考えれば、こまめに掃除したほうがいい、と感じる人もいるだろう。一時期、調味料や洗剤を市販の容器に移し替え、すっきりシンプルな空間を作ることが流行したが、手間とコストを考えれば不要、という流れもここ2~3年で強くなった。そもそも、おしゃれな容器の洗剤も増えた。予防掃除グッズが増えたように、スッキリした容器類も増えつつあるのかもしれない。 掃除をラクにする最もシンプルな方法は、道具類を使う場所にセットし、気がついたときにサッと掃除する習慣をつけることだ。布巾などをあちこちに置いておき、歯を磨きながら洗面所の水垢を取る、料理しながらコンロ回り、シンク回りを拭く。スティック型掃除機やフローリングワイパーを取り出しやすい場所にセットして、ゴミを見つけたら取る。予防掃除とともにそうした、軽く掃除する習慣を家族で身につければ、ふだんのていねいな掃除もラクになるし、大掃除の代わりに今年は遊びに出かけた、などと言える日が来るかもしれない。 ---------- 阿古 真理(あこ・まり) 生活史研究家 1968年生まれ。兵庫県出身。くらし文化研究所主宰。食のトレンドと生活史、ジェンダー、写真などのジャンルで執筆。著書に『母と娘はなぜ対立するのか』『昭和育ちのおいしい記憶』『昭和の洋食 平成のカフェ飯』『「和食」って何?』(以上、筑摩書房)、『小林カツ代と栗原はるみ』『料理は女の義務ですか』(以上、新潮社)、『パクチーとアジア飯』(中央公論新社)、『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』(NHK出版)、『平成・令和食ブーム総ざらい』(集英社インターナショナル)、『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。』(幻冬舎)などがある。 ----------
生活史研究家 阿古 真理