「年末にまとめて大掃除」よりも効率的…汚れそうな場所に先回りして手間を減らす"予防掃除"4つの方法
■「吊るす収納」で水回りの掃除を減らす 本間さんが予防掃除を提唱して11年。その間に、さまざまな予防掃除が流行した。 2013年から2016年、本間さんはよく水回りに吊るす収納を提案していた。浴室では、洗い場の床・棚に置いたイスやシャンプーボトルの底に水垢がこびりつきやすい。濡れたまま放置すると、ピンク色の菌類が繁殖することもある。その掃除をしないで済ませるには、吊るす収納にして接地面をなくせばよい。 「当時は、シャンプー類の詰め替えパックに専用ホルダーを装着し、タオル掛けなどにフックで、あるいは吸盤タイプのフックを壁に付け引っ掛ける方法をご紹介していました。詰め替えパックをそのまま使えば、詰め替え作業も省けます」と本間さん。ところがその間、マグネットつきの浴室用品が増えてきた。「マグネットつきの洗面器、フックをつけやすいシャンプーボトル、浴槽の縁に掛けやすいバスチェアなど、吊るせるグッズがずいぶん増えました」と話す。実はユニット浴室の場合、壁面は壁パネルの裏に鋼板が入っていることが多いので、磁石がくっつく(※壁の材質によりくっつかない場合もある)。そのことが知られるようになり、今はマグネットつきのシャンプー用棚などが市販されている。 「洗面所でも、2017年頃に歯ブラシの穴にカードリングを取り付けてフックで吊るすアイデアが流行、歯ブラシも吊るす人が増えました。2018年頃には山崎実業の歯ブラシを浮かせて収納できるホルダーが注目を集め、今では100円ショップや雑貨屋でも、歯ブラシを吊るすグッズが売られています」と補足する。 ■「汚れがつきにくくするものへ」洗剤も進化 洗剤も、「汚れを落とすものから、使った後に汚れがつきにくくなるものへと進化しています」。例えばトイレ。小林製薬がトイレタンクの手洗い金具下に置くだけで、薬液が滴り落ち便器内を洗浄する「ブルーレット おくだけ」を発売したのは1986年。ジョンソンが便器内に押すとジェル状のスタンプがつく「トイレスタンプクリーナー」を発売したのが2011年だった。「去年は、花王さんの『トイレマジックリン こすらずスッキリ泡パック』がヒットしました。便器内にプッシュすると、泡が出て貼りつくので、5分ぐらい置いて流すときれいになります」と本間さん。 浴室では、ライオンが2012年に除菌成分の「銀イオンの煙」を浴室内に広げる「ルック おふろの防カビくん煙剤」を全国で発売し、大ヒットした。2010年代後半には、各社から吹きつけることで汚れがつきにくくなる水回り用の撥水スプレーも登場し、人気になった。 その他にも、さまざまなカビや汚れの防止を謳う洗剤が登場している。今や水回りも、進化した洗剤で予防掃除ができるようになっているのだ。