EY、デロイト、KPMG、PwCの業績は?…会計コンサルティング「ビッグ4」を徹底比較(海外)
ビッグ4と呼ばれるEY、デロイト、KPMG、PwCは、世界最大規模の会計コンサルティング会社だ。 【全画像をみる】EY、デロイト、KPMG、PwCの業績は?…会計コンサルティング「ビッグ4」を徹底比較 毎年、数百億ドルの売上を稼いでいるが、サービスに対する需要は減速している。 近年における各社の業績と、今後変化にどう適応するかという方針をまとめた。 デロイト、EY、KPMG、PwCは世界最大規模の会計コンサルティング会社で、ビッグ4と総称される。 19世紀にまでさかのぼる歴史をもつ企業もあるこの4社は、数百億ドルの売上を稼ぐ企業に成長した。ビッグ4に雇われている数十万人のスタッフは高給を稼いでおり、おそろしく長い時間働くことも珍しくない。 ビッグ4は、労働力改革、企業の金融ポートフォリオの再編、査定やアシュアランス業務、テクノロジー利用の最適化といったサービスを企業に提供している。 簡単に言えば、企業の価値を評価し、経営を効率化する方法を教えているということだ。 パンデミックによって、これらの大企業の状勢は変化した。需要の急増に伴って雇用ブームに火がついたが、その後、需要は減速している。ビッグ4は事業のバランスをとろうと試みている。 以下では、ビッグ4それぞれの状況を見ていこう。
EY
EYは、一連の合併を経て、1989年に会計事務所アーンスト・アンド・ヤングとして組織された。以来、サービスを多様化させ、2013年に社名をEYに改めた。 本社はロンドン中心部にあり、150カ国で700を超えるオフィスを展開する。7月にカーマイン・ディ・シビオ(Carmine Di Sibio)の後任として、ジャネット・トランケール(Janet Truncale)がグローバル会長兼CEO(最高経営責任者)に就任した。 EYはコンサルティングとアシュアランスに重点を置いているが、税務と戦略、トランザクションも守備範囲だ。 2024年10月に発表された最新の年次報告書によれば、2024会計年度の売上は、前年比3.9%増の512億ドル(約8兆270億円)だった。この伸び率は、2010年以降では最も低い。最大の収入源はアシュアランスサービスだった。 EYは2024年5月、PwCとともにスキャンダルに巻きこまれ、一連の監査不正を理由に、イギリス当局から1170万ドル(約18億3400万円)の罰金を科せられた。 プレッシャーが高まるなか、EYはイギリスのパートナー報酬を5%カットし、従業員を解雇した。全体として見ると、従業員数は、直近の会計年度で2450人減り、過去14年で最大の減少となった。 現在、全世界におけるEYの従業員数はおよそ39万3000人となっている。 EYは2023年、「EY.ai」を立ち上げた。このAI(人工知能)プラットフォームは、同社のすべてのプロフェッショナルサービスをまたいでクライアントを支援することを狙ったものだ。また、「EYQ」と呼ばれる従来型のAIアシスタントも、クライアントに提供している。