EY、デロイト、KPMG、PwCの業績は?…会計コンサルティング「ビッグ4」を徹底比較(海外)
デロイト(Deloitte)
デロイトは、売上も従業員数もビッグ4の中で最大だ。 1845年にイギリスで創業したデロイトは、1890年にアメリカに進出した。ロンドンに本社を置き、およそ150カ国に700を超えるオフィスを構える。ビジネスとテクノロジー関連の強力なコンサルティングサービスで知られる。 2022年以降、ジョー・ウカゾグル(Joe Ucuzoglu)がグローバルCEOを務めている。 デロイトは2024年3月、コスト削減と未来の成功に向けた足場づくりを進めるべく、大規模な組織再編を発表した。 この再編計画は、中核的サービスを現代化かつ単純化し、監査とアシュアランス、税務・法務戦略、リスクとトランザクション、テクノロジーと変革の4カテゴリーにまとめるというものだ。 2024会計年度のグローバル売上は3.1%増の672億ドル(約10兆5360億円)となったが、EY同様、この伸び率は、2023年の14.9%増に比べるとかなり低い。 この減速はパートナー報酬に影響を与え、4.5%減のおよそ127万ドル(約1億9900万円)となった。エクイティパートナーが手にする額は、1年前と比べて6万3000ドル(約990万円)ほど減った。 デロイトの全世界従業員数は、2024年に3000人増加し、46万人となった。 デロイトは、2030会計年度までにAIに30億ドル(約4700億円)を投資すると約束している。エヌビディア、グーグル・クラウド、AWSといったテクノロジー業界のリーダーと提携し、クライアント向けサービスを開発している。
PwC
PwCは、ビッグ4で最も権威ある会社と見なされることが多く、最新の「ボルト・アカウンティング25」ランキングで首位に輝いている。 プライス・ウォーターハウスと、クーパース&ライブランドの合併により1998年に正式に発足したPwCの本社は、ロンドンにあるEY本社のほぼ向かいにある。 2024年7月から、モハメド・カンデ(Mohamed Kande)がグローバル会長を務めている。 PwCの中核的な事業ラインは、アシュアランス、アドバイザリー、税務・法務サービスの3つだが、とりわけ監査分野において、堅固で安定したクライアント基盤があることで知られる。 149の国と地域に、37万人を超える従業員がいる。 PwCは2021年、5年間で10万人超の新規雇用を創出すると約束した。2024年10月には、すでにその目標の4分の3を達成したと述べている。 PwCの収益は、ビッグ4のうち2番目に多く、6月30日締めの2024会計年度には、過去最高となる554億ドル(約8兆6860億円)の営業総収益を記録し、年成長率は3.7%だった。 PwCは、デロイトやEYほど明確に減速しているわけではないが、前年の9.9%増に比べると、PwCの成長も明らかに鈍化している。 APAC(アジア太平洋)地域では、オーストラリア政府と中国政府が絡む複数のスキャンダルが注目を集め、事業に悪影響が出た。 環境の変化に対応するために、PwCはパートナー報酬を5%カットした。その結果、パートナーの今会計年度の収入は平均109万ドル(約1億7090万円)になった。 10月には、2009年以来初の大規模レイオフを実施し、1800人分の雇用を削減するとウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。 PwCは、AI能力の拡大と拡張に15億ドル(約2350億円)を投じている。2024年2月には、イギリスのPwC税務プロフェッショナル2300人が使用できる税務AIアシスタントを発表した。