【高校野球】久慈がセンバツ21世紀枠候補校に…「あまちゃん」ロケ地から夢の舞台へ一歩近づく
来春のセンバツ高校野球(来年3月18日から13日間、甲子園)での全国9地区の21世紀枠候補校が13日に発表され、東北地区から久慈(岩手)が選ばれた。宇部智也主将(2年)らの熱い声がけに呼応して集まった中学時代の仲間たちが今秋残した、県3位&東北大会初勝利という結果が評価された。出場32校を決める選考委員会は来年1月24日に行われ、21世紀枠は候補9校の中から2校が選ばれる。 昔から互いをよく知る久慈の選手たちが、夢の舞台へ一歩近づいた。発表があった午後3時過ぎ、グラウンドで大畑伸悟監督(40)から21世紀枠候補に選出されたことを伝えられた久慈・宇部主将は「ドキドキしながら練習していた。みんなガッツポーズするくらいうれしかったです」と振り返った。今秋は県3位で東北大会に出場し、1回戦で今春センバツ出場の学法石川(福島)を7―2で破り秋の東北大会初勝利。県内屈指の進学校が文武両道を実践し、候補に選ばれた。 2年生18人のほとんどが、中3時に久慈地区の選抜チーム・久慈DREAMSで全国準優勝を経験した。宇部主将は「(高校で)私立を倒したかった。それにはみんなで入ることが大事だと思った」と、「一緒に久慈でやろう」「みんなで甲子園を目指そう」と声をかけていたという。主将の熱い言葉に、当初は野球を続ける意思がなかった選手や私立への進学を考えていた部員も、久慈でのプレーを決断。大畑監督が「入ってきたときからチームワークが良かった」と明かすほど固い絆で結ばれた選手たちだ。 学校所在地の久慈市は13年のNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地で有名。まだ幼かったため、宇部主将は「見てなかったです…」と話すが、「撮影場所が家の近くにあります」と今でも身近な存在だ。「じぇじぇじぇ」で一大ブームを起こした「あまちゃん」のように、初のセンバツ出場で久慈を再び熱くさせる。(有吉 広紀) 〇…エース左腕の宇部奨人(2年)は「選ばれてうれしかったのと同時に、気が引き締まって責任感が出てきた」と前を見据えた。打たせて取る投球術と要所でギアを上げて抑えることが持ち味の最速134キロの技巧派左腕は、「一日一日の練習で後悔しないようにやり切りたい」と決意。中学時代からともに戦ってきた、気心の知れた仲間たちと聖地でプレーできることを信じて練習を重ねていく。 ◆久慈(久慈市)1943年に創立された公立校。48年に現校名に改称。定時制の久慈高長内校もあり、別々の校舎を持つ。野球部は51年に創部。甲子園は79年夏に初出場。センバツ出場はなし。部員数35人。藤田知彦校長。
報知新聞社