【MLB】カブスがタッカーの獲得に成功 3対1のトレードが成立 鈴木誠也はDH固定での起用が決定的に
注目されていたカイル・タッカーの争奪戦を制したのは「最有力候補」と目されていたカブスだった。日本時間12月14日、米公式サイト「MLB.com」が報じたところによると、カブスは三塁手イサーク・パレイデス、右腕ヘイデン・ウェスネスキー、有望株キャム・スミスの3選手をアストロズへ放出し、タッカーを獲得。カブスはこれでレギュラークラスの外野手が5人となり、コディ・ベリンジャーの放出がほぼ確実となったことに加え、鈴木誠也が来季フルタイムのDHとして起用されることも決定的になった。 2024年シーズンの主要アワード受賞者まとめ 現在27歳のタッカーはメジャー7年目の今季、右すねを骨折した影響で78試合の出場にとどまったものの、打率.289、23本塁打、49打点、11盗塁、OPS.993をマーク。オールスター・ゲーム選出3度、シルバースラッガー賞1度、ゴールドグラブ賞1度の実績を誇るスター外野手で、2022年にはワールドシリーズ制覇も経験している。FAまで残り1年だが、カブスにとっては待望の強打者獲得となった。 タッカー獲得のために支払った対価は決して小さくなく、現在25歳のパレイデスは今夏のトレード・デッドラインでレイズから獲得した三塁手。今季は153試合で19本塁打、80打点を記録し、アストロズとしてはFAまであと3年保有できるのも魅力だ。現在27歳のウェスネスキーは先発とリリーフの両方をこなせる右腕で、今季は28試合(うち7先発)に登板して3勝6敗、2ホールド、防御率3.86を記録。新天地アストロズではローテ争いに加わることになるだろう。現在21歳のスミスは今年のドラフト1巡目(全体14位)指名でプロ入りした三塁手。今季マイナー3階級合計で32試合に出場し、打率.313、7本塁打、24打点、OPS1.005をマークした好打のプロスペクトだ。 カブスとしては、内外野のレギュラーがある程度揃っているなかで、さらなる打線強化のためにはタッカーのようなスター選手を獲得するしか方法がなかったと言える。パレイデスを放出したのは、プレミア12にも出場していた有望株マット・ショウのためにポジションを空ける意味合いもあるのだろう。今後はベリンジャーの放出に向けて動くことに。鈴木はトレードされなければ、来季はフルタイムのDHを務めることになりそうだ。 一方、アストロズとしては、パレイデスとスミスの獲得はアレックス・ブレグマンとの再契約を諦めたことを意味する。今回のトレードで三塁の穴は埋まったが、今度は外野が手薄になってしまったため、ブレグマンよりも安価で獲得できるような強打の外野手を狙うことになるだろう。幸いにもFA市場にはまだアンソニー・サンタンデールやテオスカー・ヘルナンデスといった有力な外野手も残っており、どのようにタッカーの穴を埋めるか注目される。