感染再拡大を防ぐための“5本柱” 菅首相「国と自治体が着実に実施する」
菅義偉(よしひで)首相は18日、記者会見し、新型コロナウイルス対策として東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏1都3県に出していた緊急事態宣言を期限の21日に解除すると発表した。会見で、菅首相は「宣言の解除に当たり、感染の再拡大を防ぐための5本の柱からなる総合的な対策を決定した。国と自治体が連携してこれらを着実に実施していく」と述べた。 【動画】菅首相「宣言が解除される今が大事な時期」リバウンド防止へ5本の柱 5本の柱は(1)飲食を通じた感染防止(2)変異株への対応(3)感染拡大の予兆をつかむための戦略的検査の実施(4)安全迅速なワクチン接種(5)感染拡大に備えた医療体制の強化――。
【1:飲食】 「マスクを外した会話が多くなる飲食が対策の中心。1都3県ではそれぞれの都県の要請により、21時までの飲食店の時間短縮を継続することとし、これに対し1日4万円を支援する。1都3県を合わせて、1日1万件前後の見回りを行っているが、さらに対策を徹底する」などと説明。会食については「できるだけ家族、または4人以内」で行うよう呼び掛けた。 【2:変異株】 「国内の監視体制を強化するために全都道府県の陽性者の検査を行っているが、今後抽出する割合を現在の10%から40%程度に引き上げて、変異株を割り出すとともに、感染源をきめ細かくたどることで拡大を食い止めていく。航空便の搭乗者数の抑制により、入国者の総数を管理するなど水際措置も強化する」と説明した。 【3:戦略的な検査】 「繁華街や駅などですでに実施している無症状者のモニタリング検査を順次主要な大都市で大幅に拡大し、来月(4月)には1日5000件の規模にする。高齢者施設などは今月末までに3万か所の施設を対象に検査を行い、来月からはさらに集中的、定期的な検査を実施する」と述べた。 【4:ワクチン】 「変異株を含めて、感染対策の決め手となるのがワクチン」と主張。「1日も早く全て国民のみなさんにお届けしなければならない。これまでに副反応も報告されているが、専門家の評価によればいずれも比較的軽度であり適切に治療され、改善しているという」と語った。 現在行われている医療関係者への優先接種については「順調に進んでおり、現在は1日8万人の規模で接種が行われている」と説明。「4月12日からは高齢者への優先接種が始まる。6月末までに少なくとも1億回分が確保できる見通しだ。医療従事者、高齢者に行き渡る十分な量で、みなさんに安心をして接種いただけるように丁寧な情報発信を行う」と語った。 【5:医療体制の強化】 「今回は急速な感染拡大に十分に対応できずに、各地でコロナ病床や医療スタッフが不足する事態になった。各都道府県で、今回のような感染の急拡大に対応できるように準備を進めている。コロナ病床、回復者を受け入れる病床、軽症者用のホテル、自宅療養が役割を分担して感染者を効果的に療養できる体制を作る」と説明した。