東京都「感染再拡大の可能性高い」 新規感染者、減少傾向が止まる―専門家が警鐘
東京都は18日、都内の新型コロナウイルスの「感染状況」や「医療提供体制」を専門家らが分析・評価する「モニタリング会議」を開いた。会議で国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長は、新規陽性者数の7日間平均が前週の約262人から約293人となり、増加に転じたことを報告した。前週からの増加比も約96%から約112%に上昇。「感染の再拡大の可能性が高いと思われる」とコメントした。 【動画】東京都が新型コロナ分析会議「人出次第では年末年始を超える感染者急増も」
年度末の恒例行事である花見、歓送迎会、卒業旅行などについても「例年通りに人の流れが増加すれば、年末年始を超える感染の急激な拡大も危惧される」と指摘。「7週間続いた新規陽性者数の減少傾向が止まり、高い水準のままその増加比が100%を超えている。今後、変異株等により急激に感染が再拡大する可能性を踏まえて、増加比の推移に警戒が必要」と警鐘を鳴らした。 都内の医療提供体制についても「重症患者数は減少傾向続いていたが、今回下げ止まりが見られている。今一度実効性のある感染防止対策を徹底する必要がある。感染再拡大を想定して、病床、宿泊療養、および自宅療養の体制確保について早急に検討する必要がある」と語った。 また、会議で大曲氏は「(昨年夏の)第2波を思い返すと新規陽性者数がピーク時の346人から十分に減少せずに約150人から200人の間で何回か増減を繰り返した後に急激に感染が再拡大し、第3波を迎えている。今回は250人以上で推移している状況で、第3波を超えるような経過をたどらないよう十分な警戒が必要」と訴えた。