伝統と歴史のある西洋銀座のフレンチがよみがえる〈レストラン西洋銀座〉!
〈ホテル西洋銀座〉といえば、1987年に開業したスモールラグジュアリーホテルとして、銀座で存在感を示してきた。2013年に全館クローズしたが、2023年9月13日にその食の精神と伝統を継承する〈レストラン西洋銀座〉がオープン。“西洋銀座ファン”はもちろんのこと、フランス料理好きの間で大きな話題になっているのだ。
〈ホテル西洋銀座〉の入口を継承した大理石仕上げのエントランスから入ると、左手に白を基調としたウェイティングスペースが現れる。ダイニングエリアは大きな窓が張られていて開放感があり、ゆったりとした席間隔と白のクロスが映えたテーブルが印象的。銀座では珍しくテラス席が設けられているのも、〈レストラン西洋銀座〉ならでは。 加藤さんがおすすめするのは、“成長、発展”を意味するディナーコースの“クロワサンス(Croissance)”(1万7600円)。旬の食材を使用した月替わりのコースで、アミューズ、前菜2品、魚料理、肉料理、デザート2品、ミニャルディーズ(小菓子)、コーヒー・紅茶という大満足のフルコースになっている。
コースの中でも目玉となるのが、追加料金で味わえる“富士山岡村牛サーロインのロースト”(追加料金 1320円)。富士山の山麓にある個人牧場で育てられた“岡村牛”は、のびのびと放牧されて育てられた交雑種で、サシもあるが赤身の旨味もたっぷりで実にやわらかい。旨味をふんだんに携えたサーロインはとてもジューシーで、深みのある赤ワインソースと抜群にマッチする。静岡県にある“北山農園”の野菜を主に使用していて、人参、蓮根、薩摩芋、インゲン、蕪、黒大根など、付け合わせもたっぷりなのが嬉しい。
“北海道厚岸産牡蠣とキャビアのマリアージュ”は、牡蠣の滋味を多面的に表現した冷前菜。濃厚な牡蠣のペースト、低温調理したフレッシュ感のある牡蠣に、海水のジュレとキャビアが合わせられ、潮の風味が心地よい。上から下まですくって全部合わせて食べると、様々な味わいが交差する。プチオゼイユなどのマイクロハーブによって彩られ、モクモクとした煙の演出も印象的だ。