「このままじゃ、私も子どもも危険かも」怒涛の「DVラッシュ」でもう限界! モラハラ・暴力・経済DVを乗り越えて【体験談】
職を転々とする夫
ちょうどその頃、舅が病で倒れ寝たきりになり、一家は真さんの実家で暮らすことになりました。単に舅の介護のためというより、お金が底をついたという事情もありました。 真さんは結婚当初務めていた大学を突然辞め、そこから一家は坂を転がり落ちるように困窮していったのです。 「夫は、結婚後3年間は九州の大学で講師をしていたのですが、ある日突然辞めてきて、私の地元の関西に転居しました。 転居後、『俺はこれから仕事を探す』と言って、大学の事務のアルバイトを見つけてきました。アルバイトだけど、これでなんとか暮らしていくしかないと思っていました。子どもがまだ小さいので私はパートに行けない時期だったので、不安ではあったんですけど……。 やがて夫は収入を増やしたいと言って、別の大学の契約社員の仕事に就いたんです。やはり事務職だったのですが、すごくブラックな職場だったようで、さらに私への当たりがキツくなりました。転職と同時にモラ度も上昇していったんです。その後、夫は『もう、あんな仕事は嫌だ』と辞めてしまいました。」 佳奈さんは、「もうお金もないから、あなたの実家でお父さんと一緒に暮らそう」と言って、実家で舅と同居することにしました。真さんは研究職の仕事を見つけてきましたが、いつ嫌になって辞めてくるかと思うと佳奈さんはヒヤヒヤしたそうです。 同居後まもなく舅は入院。真さんは不安が募ったのか、佳奈さんや長女に強く当たるようになりました。 「何度か、『別居だ! 離婚してくれ!』と大声で叫ばれました。 もう終わりだなと決定づけたのは、娘が駄々をこねた時のことです。幼い娘に、『お前、何言っとんじゃ!こら!!』と怒鳴って、近くにあったビールの空き瓶を床に叩きつけて割ったのです。 パリンという音がして。同時に、今まで我慢に我慢を重ねてきましたが、私の気持ちもプツンと切れました。 その日以来、娘は幼稚園に行くと、『おうち怖いから帰るの嫌だ!』と泣くようになってしまって……。子どもにこんなしんどい思いをさせてまで夫を支え続けるのは良くないと思い、別居に向けて密かに準備をしようと決意しました。」 佳奈さんはすぐにでも別居したいと思ったそうです。ただ、子どもがまだ小さかったので、もう少し大きくなって自分が仕事に出やすくなるまでは時間を稼ぎ、それから別居しようと考えたそうです。 「すぐに離れることは難しかったのですが、その日に向けて着々と準備しました。 地元の賃貸住宅を契約して、転居後に通わせる保育園や幼稚園も目星をつけ、転居先の警察にも『夫がストーカーをするかもしれないので、連携を取ってください』、とお願いしました。 弁護士も見つけて挨拶に行きました。」