人気の “ガトーショコラ”! 冠雪のグラデーションが美しい浅間山を眺める絶景登山【黒斑山】群馬県・長野県
■黒斑山を目指して森の稜線歩き、下山は中コースで
さらに木々に覆われた稜線歩きを20分ほど続けると、黒斑山頂上に到着します。山頂は稜線上にあるためピークらしい印象は薄く、途中に何か所かある視界が開けた場所と差があまりないのですが、正面に浅間山、目線を下げればボウル状に広がる「湯の平」を一望できます。眺めに満足したためにここをゴールとし、下山は中コースで車坂峠へと戻りました。 日陰がちな森の中、凍った道はかなり硬くなっています。それでいて石もゴロゴロしているので、少々歩行に気を遣うコンディションでした。一帯は標高こそ高いのですが、積雪量はそれほど多い地域ではありません。ラッセルに苦労することこそ少ないものの、うっすらと登山道を覆った雪や氷は歩きにくく、かといってアイゼンやチェーンスパイクなどを装着すると逆に歩きづらいことも。スムーズに着脱できるように準備、練習しておくのが行動時間を短くするコツかもしれません。 日当たりのいい稜線の木々は日射を受けてパラパラと白い塊を落としていました。下山する頃には季節が戻ったように、美しかった白銀の景色はすっかり色褪せてしまっていました。なかなか本格的な冬が訪れないこの季節、“ガトーショコラ”の雪景色を味わうためには、天気予報と睨めっこしながらチャンスを狙う必要がありそうです。 杉村 航(すぎむら わたる) 山岳フォトグラファー。 1974年生まれ。兵庫県育ちの長野県在住。 沢に薮山、山スキー、道なき道をいく山旅が好き。 ライフワークはトラウトフィッシング。美しいヤマメや イワナを求めて、全国の渓流に足しげく通う日々。 小谷村山案内人組合所属、北アルプス北部遭対協。 全日本釣り団体協議会公認・フィッシングインストラクター
杉村 航