福島原発事故から10年 小泉・菅元首相が会見(全文1)日本は原発ゼロでもやっていける
原発廃止は新しい可能性の否定では?
Asia Times:Asia Timesのマーティンと申します。バイデン政権のエネルギーの政策の中には従来の原子炉、従来の原発ではなくて新しい、新型、または小型の原子炉などの研究というものが政策の中には含まれています。これは福島で爆発したような古い原子炉ではなくて、新しい小型のものなどについての研究なんですけれども、こちらは私が所属しているAsia Timesの中でもシリーズ化として掲載されていますので、ご興味があればお送りいたしますが、お2人が原発、原子力そのものをやめるという、すごく広いことではなくて、こういったような新しいことを否定するということは、ある意味で新しい可能性も否定しているようなことにはなりませんでしょうか。 小泉:新しいこと。それは原発なくして発展できる国造りですよ。現に2011年、10年前に福島の事故が起こりました。放射能も拡散された。それまで54基、日本の原発があった。2011年3月から2013年9月まで約2年間、54基あった原発はたった2基しか動いていない、日本は。で、2013年から2018年、5年間、去年からちょっと動きだしたけども、5年間ゼロ。日本の原発ゼロ。その間、北海道から九州まで1日も停電ない。すでに日本は原発ゼロでもやっていけるっていう、証明しちゃったんですよ。なぜこれを続けないのかと。不思議でしょうがないんです。 なおかつ産業廃棄物を処理する会社があります、日本は。ビル解体とか、家電製品とか、古くなったものを処分する。その処分する会社は自分で処分場を確保しない限り、その産業廃棄物、いわゆるごみです。処分場を造らない限り、産業廃棄物の会社はできないんです。都道府県知事、下ろさない、許可を。原発を見てください。産業廃棄物どころじゃないですよ、危険性は。なおかつ処分場がない。それでどうして政府は原発を認めてるのか。これ、私には理解できないです。しかも実際的にゼロでも停電なし。やっていける、証明しちゃってるんですから。これ一日も早くしなければと、そういう考えで今、原発ゼロ運動を始めてます。 菅:数年前、ダボス会議でビル・ゲイツ氏に短時間この件で話をしました。私は、小型だからといって放射性廃棄物が出ないわけではないので、特に原発にしなければいけない理由は、話を聞いても分かりませんでした。あとは今、小泉さんが言われたことと同じで、つまりは廃棄物問題を解決できていないわけですから。それが再生可能エネルギーであれば、その問題はありませんので、わざわざ原発に戻る必要はまったくない、こう考えております。