福島原発事故から10年 小泉・菅元首相が会見(全文3完)核のごみ処分場造りは大変
小泉純一郎元首相と菅直人元首相は1日午後、外国特派員協会(東京都千代田区)で「福島原発事故から10年 日本の原子力発電」をテーマに記者会見を行った。 【動画】福島原発事故から10年 小泉純一郎・菅直人元首相が会見(2021年3月1日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「福島原発事故から10年 小泉純一郎・菅直人元首相が会見(2021年3月1日)」に対応しております。 ◇ ◇
水素自動車乗ってるけど快適
小泉:福島の汚染水、これは放流すると、放水すると、漁業者は大反対ですからね。当分の間は、どうやったら汚染水を反対のないような形で処理するかっていうことは、もっと時間を掛けて研究しなきゃいけないと思いますね。どうやって保管するかもあるから。いずれにしても、地面にうずめるにしても海に流すにしても、将来どういうリスクが出てくるか十分研究していかなきゃいけない問題だと思ってます。 水素ですけど、これ今、私、車は水素自動車を使ってるんですよ。ただ、ガソリンスタンドに比べて供給が少ないんだね。東京じゃ水素を供給してるスタンド、3つしかないというんだよ。ガソリンはあちこちあるんだけど。ガソリンの使ってるところに水素供給もやればいいんだと思うんだけども、【トシカンケイノ 01:20:12】関係で、まだガソリンよりも保存の金が掛かると、つくる。そこで遅れてるんだけども。いずれ、水素自動車乗ってるけど快適ですよ。長く持つしね。スピードは別に落ちないし。この水素、CO2も出さないしね。安全対策しっかりやって暮らしていければいいなと思ってます。ピンチをチャンスに変える、新しい技術がそういうチャンスに変える1つの大きな技術進歩をもたらせばいいなと思っています。
福島第一の廃炉過程をどう評価する?
A:今、福島県の浪江町のほうに水素をつくってるところがあると思いますので、小泉先生もそちらのほうにぜひ行ってみてください。 次はオンラインのほうに届いている質問なんですが、まず最初はThe New York Timesからの質問です。この10年間での日本政府の福島第一での廃炉のプログレス、廃炉の過程をどういうふうに評価されるのかということなんですけれども、もし例えば点数を付けるとしたら何点というふうに評価されますでしょうか。0と10まで。 菅:点数は付けられません。つまり簡単にはできないことを、比較的、短期間でできるというふうに言ってることが一番問題です。つまりメルトスルーして、格納機の底にあるデブリという存在は、私が見るところ、例えばチェルノブイリでもこれから100年ぐらいはこの金属のシールドをかけて放射能が下がるのを待つというふうに言ってるのを見ると、同じようなことが必要になるんではないか。つまり極めて長期間、デブリをどこかに、今のところに閉じ込めておくしかないんではないか。それに代わる手だてが簡単に見つかるとは思いません。そういう意味で今の、いろいろ、政府がこうなってる、ああなっているというこの報告は、ほとんどは希望的観測で事実に即していないと思っています。 小泉:核のごみの処分場、これは日本のみならず世界、困ってるんですね。私、数年前、世界でたった1つ、核のごみ、原発の供給したあとの核のごみを処分してる場所があるっていうんで、フィンランドへ行ってきました。いわゆるオンカロっていうんですね。核のごみの処理する、捨てる場所。世界でフィンランドしかやっていないという。 で、フィンランド、岩盤でできている国ですけど、約400メートル地下を掘って、それで2000メーターほどの広場に、そこに核のごみを、数万年、放射能がもう出ないように処分するということで。これ見て、これは日本も大変だと。いずれ核のごみの処分場造んなきゃいけないんだけども、だからこそ、もう原発はやらない、これ以上増やさない、そういう前提でやんないと、なかなか国民の理解とか支持を得られないと思いますね。大変なことですよ。400メートル掘って、2キロ四方の広場、そこにうずめるっていうんだから。フィンランドだから、岩盤でできて、地震、津波がないっていうんだからいいですけど、日本は地震国ですからね。400メートル掘ったら水どころか温泉が出てきちゃうんじゃないかね。これ造るの大変ですよね。それだけ大変なことなんですよ、核のごみの処分場を造るのは。これは早くやめて、いずれどこに処分場を造るか、これは大変な問題ですね。それだけに早くやめたほうがいいと思っています。