福島原発事故から10年 小泉・菅元首相が会見(全文2)メディアの責任は非常に大きい
小泉純一郎元首相と菅直人元首相は1日午後、外国特派員協会(東京都千代田区)で「福島原発事故から10年 日本の原子力発電」をテーマに記者会見を行った。 【動画】福島原発事故から10年 小泉純一郎・菅直人元首相が会見(2021年3月1日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「福島原発事故から10年 小泉純一郎・菅直人元首相が会見(2021年3月1日)」に対応しております。 ◇ ◇
私が総理だったらもちろんやめている
A:小泉さん。 小泉:私が総理だったらどうするかっていうのですけど、もちろんやめていますよ、すぐ。私は安倍さんに、あの事故のあと一緒にゴルフやったんですよ。歩きながら、経産省にだまされるなよ、だまされているんだぞ、原発は安全、クリーンエネルギー。そしたら、なんて答えるかと思ったら、苦笑して何も答えないんだよ。それっきりなんだけど。やっぱり経産省の言い分を信じてたんだろうな。私も当初、起きる前は、原発は安全だ、コストが安い、CO2を出さないクリーンエネルギーだ、推進論者のを信じてたんですよ。それが自分なりに勉強してみて、これ全部うそだって分かったから転換しているんだよ。よくぬけぬけと、頭のいい経産省の人たちが、こういううそを言っていたなと。過ちは改めればいいなと思っているんだけれども、まだ改めてないね。残念ですけれどもね。
マスコミの責任もあると考えているのか
A:1つ、先ほどの質問の追加、補足なんですけれども、やはり今でも日本の中で原子力を推進しようとしている勢力があるということに対して、メディア、マスコミの責任もあるというふうに思いますでしょうか。 といいますのは、今、もうすぐで10周年を迎えるわけなんですけれども、海外の報道を見ますとやはり福島の原発事故にフォーカスしたような報道がたくさんあると思いますが、日本のメディアのほうを見ますと、福島の事故よりも、地震、そして津波、もちろんたくさんの死者は出たのであれなんですけれども、福島のことよりも地震と津波のほうが日本のマスコミでは報道されているように思います。日本のマスコミにも、そういったような責任はあるというふうに思いますでしょうか。 菅:原発に関しては非常に大きな責任があると思います。ただ、その背景には、東電をはじめ電力会社自身が、かつては総括原価方式といって、たくさんの広告をいろんなメディアに出していました。面白い話を言えば、東電は電気をあまり使わないようにしようという広告まで出してたんですね。つまり普通であれば自分が売るものを使わないようにしようなんていう広告は出さないんですが、広告を出すことによって、その新聞やテレビ局に対して原発の反対的な論調は出さないようにという、そういうプレッシャーをある意味でかけていたということです。 ですから、やっぱり今もそうですが、今日も朝の新聞を見てきました。日経新聞はかなり変わりました。しかし読売新聞は相変わらず変わっていません。それは広告の量がどうかまでは言いませんけれども、メディアの責任は非常に大きいです。 A:マスコミの責任? 小泉:いや、それはマスコミも、賛成するマスコミもあるし、反対するマスコミもありますから。それは、どうこう言うわけじゃないけども。しかし反対の立場を進めていって、私自身はいずれ国民大多数の賛成によって原発ゼロの国づくりを進めていきたいなと思いますから。何やっても反対、賛成ありますから、それを乗り越えていかなきゃいかんと思ってます。