岸田首相、伊勢神宮参拝後に年頭会見(全文1)スタートアップ5カ年計画策定へ
今年も国民の皆さんの声をよく聞きながら
冒頭、えとについて一言触れました。実は寅という字にはもう1つ、志を同じくするもの同士が助け合うという意味もあるそうです。新型コロナ対応、新しい資本主義の実現、外交・安全保障、そのいずれを取っても困難な課題ばかりです。これらの課題に力強く立ち向かっていくためには、信頼と共感によって結ばれた多くの人と助け合っていくこと、これが必要です。そのために私は今年も国民の皆さんの声をよく聞きながら、丁寧で寛容な政治を進めてまいります。最後となりましたが、国民の皆さんにとって本年が実り多い1年になりますことを心からご祈念申し上げて話を終わらせていただきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 司会:それでは、これから皆さまよりご質問をいただきます。ご質問をされる方は社名とお名前を明らかにしていただいた上で、1人1問のご質問をお願いいたします。それではまず内閣記者会の代表の方からご質問をお願いいたします。
ボトムアップ型の政治手法はどの程度実現できたか
毎日新聞:内閣記者会幹事社の毎日新聞、藤渕と申します。弊社からは政治手法について伺います。総理は行き過ぎた官邸主導を改め、政高党高の政権運営を目指して、霞が関も党もトップダウンからボトムアップ型を重視されています。こうした政治手法は政権発足から3カ月でどれほど実現されたでしょうか。課題や今後の政治手法を巡る抱負についても、特に経済財政政策や外交上の懸案事項も踏まえてお考えをお聞かせください。お願いいたします。 岸田:政治手法についての質問ですが、今も申し上げた新型コロナ対応あるいは経済対策、また外交・安全保障、さまざまな政策課題を推し進めていく際に大切なこと、これは国民の皆さんとの信頼と共感であると思っています。そのために国民の皆さんの声を聞き、丁寧で寛容な政治を進めていかなければいけない、こういったことを申し上げてきました。もちろん話を聞くだけではなくして、必要なときには厳しい決断も行っていかなければいけない、結果も出していかなければいけない、こういったことであると肝に銘じています。 今、ボトムアップという政治手法についてご質問がありましたが、政治の判断をする際にトップダウンかボトムアップか、どちらが優先されるべきかという議論がありますが、私はこの2つどちらが優先されるというのではなくして、必要なときに必要な手法を使い分けることができる、これこそ賢い政治であるということを申し上げています。平時においてはボトムアップ、ぜひ大事にし、多くの皆さんの声を聞いていかなければいけない、これを優先させたいとは思いますが、必要なときは果断に決断をしなければいけない、トップダウンで判断をしなければいけない、こういったこともちゅうちょしてはならないと思っています。 ぜひこうしたトップダウンとボトムアップの適切な使い分けを心掛けていきたいというふうに思いますし、またさらに1つ申し上げるとするならば、一度物事を決めたとしても、これ、状況が変化したならば、あるいは様々な議論が行われた、こういった結果を受けて柔軟な対応をする、こういったこともちゅうちょしてはならないと思っています。こういったことも大事にしながら、政治、政権運営を行っていきたいと思っています。 外交・安全保障、ほかさまざまな課題についてどうかというご質問でありましたが、今のこの政治姿勢、これは国の内外問わず大事な政治姿勢だと思います。こういった姿勢を大事にしながら国内外の様々な課題に今年もしっかり取り組んでいきたいと考えています。以上です。 司会:続きまして三重県政記者クラブの代表の方からご質問をお願いいたします。どうぞ。