岸田首相、伊勢神宮参拝後に年頭会見(全文1)スタートアップ5カ年計画策定へ
基本的感染防止策の徹底を
先日の全体像において、在宅の方々への健康観察、診療を行う医療機関等は全国延べ約3万3000、そして宿泊療養施設は4割増しの約6万4000、医療病床は3割増しの約3万7000を確保いたしました。すでに各自治体には、起こり得る第6波に備えて準備状況、そして即応体制などについて自己点検を依頼しております。自宅療養、宿泊療養、入院、この調整が円滑に行くよう、医師会、薬剤師会、そして看護協会にも協力をお願いしております。 地域の医療体制をしっかり稼働させる準備を整え、国、地方、そして医療界が一体となって国内の感染拡大に先手先手で対応していきます。十分な備えをした上で、過度にオミクロン株を恐れることなく、国民皆で協力してこの状況を乗り越えていきたいと思っています。そのために政府も全力を尽くします。国民の皆さんにおかれては、あらためてマスク、手洗い、うがい、3密の回避などの基本的感染防止策の徹底をお願いいたします。 慎重に新型コロナ対応を進める一方、新しい資本主義の実現に向けては大胆な挑戦をしていきます。新しい資本主義では、市場や競争に全てを任せるのではなく、市場の失敗や外部不経済を是正する仕組みを、成長と分配の両面から資本主義に埋め込み、資本主義の便益を最大化していかなければなりません。市場や競争に任せるだけでは、次なる成長に不可欠な分配や投資が不足がちになるからです。
グローバルな経済社会変革の先頭を走る
例えば人への投資と中間層への分配、消費につながる賃上げや人的資本の向上につながる訓練、再教育への投資が不足しています。例えば未来への投資と次世代への分配、未来の成長に不可欠な科学技術開発やイノベーションへの投資が不足しています。例えば地方への投資と分配、人々の暮らしを支える地域や、地域を支える中小企業者への適切な分配、そしてデジタル基盤など地方のインフラ投資が不足しています。そして地球規模の課題への投資、人類の持続可能性を脅かす地球環境問題や世界規模の感染症へ対応するための投資、これらが不足しています。 こうした現状を解決すべく、世界でも歴史的なスケールでの経済社会変革が模索されています。わが国は新たな官民連携の構築によってグローバルな経済社会変革の先頭を走ってまいります。本日、伊勢神宮を参拝して、こうした新しい資本主義への思いをあらためて強くするとともに、特に3つの点について決意を新たにいたしました。 第1に、戦後の創業期に次ぐ日本の第2創業期を実現するため、本年をスタートアップ創出元年として、スタートアップ5カ年計画を設定して、スタートアップ創出に強力に取り組みます。伊勢神宮は20年ごとに式年遷宮を繰り返すことで、新たな時代、世代へと歴史をつなぎ、時を刻んできました。わが国の資本主義も未来に向けて新たなプレーヤーを必要としています。そのために公的出資を含めたリスクマネー供給の強化、公共調達の大胆な開放、海外展開への徹底的支援、株式公開制度の在り方の見直しなど、総合的に取り組んでまいります。学生、若者、女性、第2創業を目指す中小企業、小規模事業者、大企業での経験を生かそうとする方、皆さんが未来をつくる主役です。全ての挑戦者を、官民挙げて全面的にサポートいたします。