「会議には全員来なくていい」と伝えたら“一部は参加必須”と思われるかも?東大生が勧める文章力の鍛え方
―[貧困東大生・布施川天馬]― みなさんは「自分の書いた文章が意図通りに伝わらなかった」経験はありませんか? 普段当たり前のように日本語を操っていても、わかりやすい文章を書くことは至難の業。考えた通りの文章が書けないことは日常茶飯事でしょう。 文章はたった一つの句読点の位置によってすら、大きく意味を変えます。例えば「新しい車の鍵を受け取った」は、「新しい車の、鍵を受け取った」のか、「新しい、車の鍵を受け取った」のか、一意に定まっていません。この場合は、「新車の鍵を受け取った」「車の鍵を新しくした」などと書き換えることで、より正確に意図が伝わります。 作文力を鍛えるための一番の近道は、おそらく書き続けることです。ひたすら文章を書き連ねて、自己添削をし、その先に上達が見えてきます。しかし、これは文章を職とする人以外は難しい。 文章にはコツがあります。そして、我々には幸いにも文章を書き続けてきた先輩たちがいます。彼らの説く教えを得ることが、上達への最短ルート。今回は、文章力を鍛えられる本を3つご紹介します。
『ていねいな文章大全』
1冊目に紹介するのは『ていねいな文章大全』。ビジネスメールや書類などで、意図通りに伝わらない。それは、「雑な表現」を使っているからかもしれません。「会議には全員来なくていい」とあったとき、みなさんはどのように受け止めますか? 「会議には全員が来なくていい」のか、「会議には全員は来なくていい(一部は参加必須)」なのか、戸惑うのではないでしょうか。 業務上のミスの一要因である「情報の伝達ミス」。下手な文章を書いているから、それが起きるのかもしれません。人に意図がその通りに伝わる「ていねいな文章」を作るスキルがあれば、業務効率は間違いなく上がります。今を生きるビジネスパーソンにこそ、必要な一冊です。
『一度読んだら絶対に忘れない文章術の教科書』
2冊目は『一度読んだら絶対に忘れない文章術の教科書』。書く力とは、どのように高められるのでしょうか。本書では、誰でも書く力を劇的にアップさせられる3つのステップが紹介されています。その方法は、まず「大きな問」を立てて、そこから分解し、それぞれ個別の「小さな問」の答えを出していくもの。大きな問題が扱えないのであれば、分割して対処するのは、問題解決の王道です。 著者は、関西の名門・西大和学園の名物国語教師である辻先生。彼の国語の授業は、劇的に国語力が伸びると定評があります。進学校ならどの生徒も作文ができそうな印象がありますが、実際は「一行も文章が書けず白紙の原稿用紙を提出する」生徒もいるといいます。 そんな彼らも、高校3年生になって卒業するころには、見違えるような文章力を手にするのだとか。まさに魔法のようなメソッドです。文章作成が極端に苦手な人こそ、ぜひ手に取っていただきたいと思います。