156cm、38kgでバスケ名門校へ→全国制覇→五輪新記録…「小さいから無理と思ったことは一度もない」女子バスケ・町田瑠唯(31)の人生が変わった瞬間
「156cm、38kg」でバスケの名門校へ
――高校はバスケの名門・札幌山の手高校ですよね。周囲から反対はなかったんですか? 町田 そもそも、山の手は「160cm以下の選手をとったことがない」と聞いていたんです。当時の私は156cmで38kg。父にも「3年間試合に出られない可能性もあるぞ」と言われました。でも、上島正光さんという名物コーチがいて、Wリーグに50人ぐらい選手を送り込んでいる。だからこそ、ここで全国を狙いたいと思いました。 両親は「地元旭川の高校でもいいじゃない」と言っていました。でも、気持ちは変わらなかった。 ーー実際に進学してみて、どうでしたか? 町田 先輩たちはみな高身長で、とにかく「体を大きくしないと」と思いました。食べて食べて、吐くほど食べましたね。寮生活だったのですがそこで出る食事は量が多くて……。ラーメンにどんぶり飯2杯は食べてましたね。 ――3年の時はインターハイ、国体、ウインターカップの高校3冠に輝きました。 町田 上島コーチの指導は、「教える」というより選手に「考えさせる」ものでした。練習の最後に、自分の克服したい技術を3分間だけ練習する時間があったのですが、3分しかないからみんな高い集中力を発揮する。この練習で集中力、判断力、決断力みたいなものを学んだ気がします。高校3冠を獲れたのは、何よりチームメイトに恵まれていたからですね。 ――町田さんは、Wリーグのオールスター投票では毎年人気ナンバーワンです。でも、メディアに出るのはあまり得意ではないとか……。 町田 恥ずかしい……。注目されるのが苦手なんです。そもそもなぜ私が人気なのかも分からないし。
広瀬すずも「推しの選手」と公言
――女優の広瀬すずさんも「推しの選手」と公言していますよね。 町田 広瀬すずさんが応援してくださっているという話は、ネットニュースで初めて知りました。びっくりしましたし、とても嬉しかったです。テレビの取材か何かで2人で写真を撮るというので、その時ちょっとだけお会いしました。めっちゃ可愛かったです。でも話をする時間がほとんどなく、いつかじっくりバスケ談義してみたいですね。 ただ、私がバスケの魅力を語らなくても、女子バスケには高田真希さんや馬瓜エブリンのように伝えるのが上手な人たちがいます。喋りは彼女たちに任せた方が、女子バスケの面白さが端的に伝わると思うんですよね。 それにWリーグには魅力的な選手がいっぱいいるんですよ。最初は私が入り口でも、そこからWリーグに興味を持ってもらって、他の選手のプレーもぜひ見ていただきたいです。もちろん、私のファンになってくださることはとっても嬉しいです。