85%の高校生が進路について保護者のアドバイスを求めている! 忙しい保護者でも可能なサポートとは?【進路意識調査より】②
もちろん保護者のかたも、お子さまの進路選択にあたって「できる限りのサポートをしたい」とお考えでしょう。 ただ、仕事や家事などで忙しいかたも多く、高校生のお子さまに多くの時間を割くことが難しい、という実情もあります。 このように時間が限られているなかで、どんな進路サポートを優先的に行っていけばよいでしょうか? (真坂さん) まずお伝えしたいのは、「保護者のかたがすべてをサポートする必要はない」ということです。 保護者のかたはただ、「学校や家庭とは違う世界」に目を向けさせてあげればよいのではないでしょうか。 進路選択を行う際、先生や友達、家族、親戚以外の信頼できる大人と接することで、新しい視点を得る可能性が広がります。 決めるのは本人というスタンスで、お子さまがアクションをおこし、リサーチを進めたほうが納得感のある進路選択につながるでしょう。 ただし、子どもにとって近すぎる保護者の言葉は、特に反抗期の子どもの心に届かないことがあります。 お子さまが能動的なアクションを起こすためのきっかけ作りとして、保護者のかたが「学校や仮定とは違う世界に目を向けさせてあげる」のも多感な時期の子どもたちへの有効なアプローチと思います。 そこでお子さまに勧めてあげたいのが、地域活動やボランティア、オンラインで行われている進路イベントへの参加です。 大学生や社会人など、普段接しているのとは違う属性の人と関わることは、進路検討を進めるうえで非常に大切だと思います。
お子さまの進路選択に関わることは 家族の絆を深める絶好のチャンスになる
――近年は、各大学で学部・学科を新設したり、文系・理系の枠を超えて学べるコースをつくったりする動きがめだっています。 入試制度も多様化しており、自分の強み・弱みに応じた入試方式を選ぶことが必要です。 そのため、「どの大学・学部を、どの方式で受験するか」をお子さまだけで決めるのは難しい場合も多々あり、ご家族が情報収集を手助けするなどのサポートをしてあげれば、お子さまにとっては大きな力になります。 また、いわゆる推薦入試と総称される「学校推薦型選抜」や「総合型選抜」による入学者も近年増加傾向にあります。 文部科学省の「令和5年度国公私立大学入学者選抜実施状況の概要」を見ると、国公立大学の総合型および推薦型選抜入学者割合は2割にとどまっていますが、国公私立大学すべての入学者を合わせると、2021年度からは総合型および推薦型選抜による入学者が一般選抜による入学者を上回っています。 これらの推薦入試では、志望理由書をはじめとする書類準備や面接練習、プレゼンテーションなどの準備に時間と手間がかかります。