首都圏の中学受験「今年も厳しい」 志願者数増の人気校に見る、“難関大進学”ではない納得のニーズ
首都圏の中学受験が今年も加熱しそうという予測が出ています。首都圏模試センターによると、2025年度入試の私立・国立中学受験者数は「5万2300名」。また、受験率は過去最高の「18%台」を維持するという予測もあります。 【10年前との偏差値比較】親の時代とは違う、最近の人気校はココ! 今後小学生の数は減っていきますが、首都圏では小学生の保護者の中学受験と中高一貫教育に向ける期待が大きくなっているようです。 ここ数年、最難関校の志願者数は、前年より減少か横ばいにとどまるという傾向もあり、人気の中心は中堅校といわれる学校に移っています。しかし、受験者数が増えることで、それらの学校の偏差値も上昇傾向にあるので、塾関係者からは「今年も厳しい受験になりそうだ」という声も聞かれます。 同じく首都圏模試センターによると、1人あたり平均出願校数も7.4校。これまた過去最高になりそうということで、合格を勝ち取るためには、受験校選びがキーポイントになるでしょう。 今回は受験生の人気を集めている学校の教育内容から、その理由を探っていきたいと思います。
◆志願者数が増えている学校
ここに、志願者が増えている学校のリストがあります。2024年9月29日に実施された首都圏模試センター主催の合判模試で、前年と比較して志望者が増加した学校をランキング形式でまとめたものです。 男女ともに1位の開智所沢中等教育学校は、2024年度入試でも多くの受験生を集めて話題になりましたが、今年も高い人気を維持しています。埼玉県の学校なので1月に受けられるうえ、都心からのアクセスもよいことから、併願校としても魅力があり、都内からの受験生も多く志望しています。探究・国際・医進という今のトレンドを押さえたコース設定による教育内容も人気の要因でしょう。 また、2026年4月1日から明治大学の系列校になり、校名を「明治大学付属世田谷」に変更し共学になる日本学園中学校、初年度多くの受験生を集めて何かと話題になった芝国際中学校も、志望者が増えていて、隔年現象による増加が予想されるので注意が必要な学校です。 他には、男子校では足立学園中学校、女子校では十文字中学校、跡見学園中学校、富士見丘中学校、光塩女子学園中等科、トキワ松学園中学校、共学校では日本工業大学駒場中学校、桜丘中学校、駒込中学校、淑徳巣鴨中学校などの増加が目立ちます。 神奈川県では日本大学藤沢中学校、神奈川学園中学校、千葉県では芝浦工業大学柏中学校、麗澤中学校、埼玉県では武南中学校が増加しています。