外国人労働者、企業の16.7%が「採用を拡大」 昨年初の200万人超え、今後も緩やかに増加か
昨年初の200万人越え、今後も緩やかに増加見通し
人手不足の長期化が見込まれるなか、2023年10月時点で外国人労働者の数は200万人、雇用事業所数は30万カ所を上回った。いずれも過去最高を更新するなど年々増加しており、日本における外国人労働者の存在感は以前にも増して高まっている。 3月15日の閣議決定では、技能実習制度が見直され育成就労制度が新設される方針が明らかとなった。人材確保と育成を目的に、特定技能制度への円滑な移行による共生社会の実現を目指すとしている。しかし、外国人の雇用には課題も多く、人材の確保・定着は決して容易ではない。そこで、帝国データバンクでは外国人労働者の雇用・採用動向について調査を実施した。 外国人の雇用・採用について尋ねたところ、現在「雇用している」とした企業は23.7%だった。一方で、59.2%が「雇用していない」結果となり、6割近くにのぼっている。 また、今後の採用についても尋ねたところ、現在外国人を雇用しており、かつさらに採用を拡大する企業は4.5%と僅かにとどまった。また、現在は雇用していないが今後新たに採用する割合は12.2%で、合計16.7%が外国人労働者の採用を拡大する意向があることが分かった。
業種別では「飲食店」が44.0%でトップとなり、次いで「旅館・ホテル」(35.8%)、「人材派遣・紹介」(33.8%)が続いた。上位10業種のなかで、サービス業や小売業を中心とした個人向けサービス業が多くを占めており、「特にリテール事業では、外国人の雇用は観光客とのコミュニケーションを円滑にするものと捉えている」(投資業、北海道)といった背景がある。他にも、「今後海外への輸出を検討する場合には、輸出国の技術者の採用を考慮したい」(電気機械器具卸売、大阪府)など、外国人を生かした人材活用の強みが聞かれた。 なお、これら上位10業種のなかでは「飲食店」「旅館・ホテル」「農・林・水産」「メンテナンス・警備・検査」は、特定技能の分野に指定されている。