《寝起きから疲れてる…》朝バテを解消するメソッド 「寝室の温度は18℃以上」「寝る3時間前には夕食を終える」「ベッドの中でスマホをいじらない」
夏バテならぬ「朝バテ」。どうにもテンションが上がらない響きのこの症状に悩まされている人が増えている。朝から心身の倦怠感を覚える「朝バテ」の原因は睡眠の質と量にある。よりよい睡眠で朝バテを回避し、QOL(生活の質)を上げる方法を伝授する。 【全一覧】朝バテを解消するメソッド24をチェック!
あなたは大丈夫!? 朝バテチェックリスト10
「目覚めてしばらくは頭がぼーっとしてしまう」「寝つきが悪く、朝になると全身に疲れを感じる」「月曜日の朝が憂鬱に感じ、家事をする気が出ない」―寝起きのこうした疲労感について、加齢による症状とあきらめている人は多いだろう。しかし、その不調はもしかしたら「朝バテ」かもしれない。 朝バテとは、起きた直後から疲れを感じる状態を指し、根本的な原因は質の悪い睡眠とされる。 自分が朝バテかもしれない、と思った人は、まずは以下の10の項目をチェックしてほしいと言うのは、東京疲労・睡眠クリニック院長で医学博士の梶本修身さんだ。 ◆【あなたは大丈夫!?朝バテチェックリスト10】 ・朝起きたときに体に痛みを感じる。 ・寝汗でパジャマが濡れている。 ・二度寝してしまうことが多い。 ・電車の中でうたた寝をよくする。 ・起床して約4時間後に眠気を感じる。 ・やる気が出ない、気分が沈みやすい。 ・注意力散漫でミスが多い。 ・ベッドに入ると5分以内に寝つく。 ・体調を崩しやすい。 ・休みの日に昼まで寝ていることが。 ※取材をもとに本誌作成 「ここに挙げた項目のうち、1つでも当てはまるものがあれば、朝バテに悩まされている可能性が高いと考えられます」
異常な寝汗は体からのサイン
朝起きたとき、首や肩、腰などに痛みを感じることはないだろうか。これは朝バテの典型で、体が悲鳴を上げているサインだ。睡眠の質の問題は言うまでもなく、枕やベッドなどの寝具が体に合っていないため、過度な負担がかかっている可能性もある。 「寝汗でパジャマが濡れているかたも要注意です。人は睡眠中に汗をかき、体温調節をしていますが、通常なら手のひらや足の裏から分泌されます。全身で大量の寝汗をかくのは、寝ている間に自律神経が酷使されているためで、その状態が続くと疲れがたまる一方なのです」(梶本さん) また、二度寝してしまうことが多いのは、脳の神経細胞だけでなく体中の細胞が、もっと休息をとらせるようにとシグナルを出している可能性が高い。 ふとした瞬間にうたた寝をしてしまったり、やる気が出ずに気分が沈みやすかったり、注意力散漫になってミスが多いケースも要注意という。むさしクリニック院長で医学博士の梶村尚史さんも言い添える。 「日中にうたたね寝をすると夜に眠れなくなり、翌朝に倦怠感が残って悪循環に陥ります。睡眠不足が5日間続くと、不安や抑うつが強まるという研究もあり、朝バテを放置することは重大な病にもつながりかねません。 質の悪い睡眠は免疫力を低下させ、ウイルスなどに感染しやすくなる。また、肥満の原因にもなり、疾患リスクも高めます。朝バテを“単なる疲れ”と放置するのは危険です」 厚生労働省の調査によれば、一般成人の30~40%、特に女性が何らかの不眠症状を有しているとされる。 梶村さんは「朝バテは、健康面は言うに及ばず、仕事や人間関係にも影響を与える厄介な問題」と続ける。 「朝がつらいと仕事や家事の最中にもだるさを感じますし、ストレスがたまります。すると、ますます寝つけなくなり、朝がつらくなる。 こうした悪循環から抜け出すためには、睡眠の改善を図り、すっきり目覚めることが大事。朝が楽になれば、ベストな状態で一日のスタートが切れます」