5年間でFIFAランク173位→127位も…インドネシア代表が韓国人監督を電撃解任、後任に元オランダ代表エース就任か
インドネシアサッカー協会(PSSI)は6日、シン・テヨン監督を解任したと発表した。現地メディア『CNNインドネシア』によると、同協会のエリック・トヒル会長は「コミュニケーション、戦略、リーダーシップ」の3点に基づいて解任を決断。後任には元オランダ代表FWのパトリック・クライファート氏が就任する見込みだという。 【写真】日本代表FWとモデル妻がパリ観光「可愛すぎ」「小松菜奈ちゃんとのツーショいいな」 韓国人のシン・テヨン監督は2019年、インドネシアA代表の監督に就任。5年間の指揮でFIFAランキングを173位から127位に大幅に引き上げた上、昨年初旬のアジア杯では史上初めてベスト16入りを果たした。また兼任するU-23インドネシア代表でもAFC U-23アジア杯で史上初の4強入り。パリ五輪出場にあと一歩となる大陸間プレーオフ出場に導いていた。 昨年末に行われた東南アジア選手権ではグループリーグ敗退に終わったが、この大会は国際Aマッチウィーク外に行われる同大会では欧州組を招集できないため、近年の躍進を牽引していた帰化選手たちは招集外。アンダーカテゴリの強化を見据え、大半が21歳以下の若手中心で臨んでの結果だった。 そのため、突然の代表監督解任劇は同国内に大きな衝撃を与えていた。『CNNインドネシア』は「ドラマを見るよりも泣いた」「代表がこのようになれたのはSTY(シン・テヨン)のおかげ。それなのに解雇された。馬鹿げている」といった悲痛なファンの声も紹介している。 一方、PSSIのトヒル会長は解任について「選手たちが合意した戦略をより適切に実行できるリーダーが必要だ」「(解任によって)より良いコミュニケーション、より良いプログラムの実行ができるはずだ」と説明した様子。具体的な理由は明言を避けつつも、「フットボールにおいて大事なことは目に見えない。その一つはチームワークであり、選手、コーチ、協会の結束力だ」とコミュニケーション面の問題を示唆したという。 同メディアによると、シン・テヨン監督の後任にはかつてオランダ代表のエースストライカーを担ったクライファート氏の就任が決定的だとされている。正式決定は今月12日の記者会見で発表される見込みだが、インドネシアの帰化選手がオランダにルーツを持つことから、中心選手との関係性を重視したとみられている。 もっとも、『CNNインドネシア』ではクライファート氏の手腕にも「適切な後継者ではないと考えられている」と疑問視している。オランダ代表、AZ、ブリスベン・ロアー、NECナイメヘンでアシスタントコーチを務め、パリSGではフットボールダイレクターを担った経験には敬意を示しつつも、「トップチームを率いた経験がほとんどない」と指摘。トップチームを指揮したのはキュラソー代表、アダナ・デミルスポル(トルコ)のみで、2度就任したキュラソーではW杯予選で苦戦が続き、デミルスポルではわずか半年間で解任されたことを懐疑的に見ているようだ。 現地ではさらにオランダ人で元バルセロナ監督のルイ・ファン・ハール氏が同代表テクニカルダイレクターに就任する可能性も浮上している様子。北中米W杯アジア最終予選を1勝3分2敗の勝ち点6という健闘を見せ、アジアプレーオフ圏内3位で北中米W杯出場の可能性を大いに残しているインドネシアだが、最終予選の佳境を前に大きな岐路に立っているといえる。