つらい思い「上手に話そうと思わなくて大丈夫」 孤独な若者と向き合う訪問看護 #今つらいあなたへ
訪問看護の道へ 悩んでいる人と伴走
これまでの経験を踏まえ、より子どもたちと近い距離で支援に携わるため、中川さんは現在、不登校の子どもなどの支援に特化した訪問看護ステーションで働いています。 「とくに不登校の生徒たちは、学校にも病院にも行けず、家族ごと社会から孤立してしまうケースが多いです。子どもたちの生活に直接入って支援でき、これまでの自分の経験を活かすことができると思いました」 一方で、訪問看護だけで全てが解決できるとも思っていません。学校、児童相談所、子ども家庭支援センター、放課後等デイサービスなど、地域との協働が必要だと感じています。 当事者やご家族の悩みを解決するというよりも、伴走していくイメージで活動を続けています。
「死にたい」という言葉の裏にある「死ぬほどつらい」という思い
悩みを抱える若者に向けて、中川さんが一番伝えたいことは「上手に話そうと思わなくても大丈夫。まずはご自身の悩みを一言でも話してみてください」ということです。 「言葉にならないモヤモヤした気持ちが自分の中にあって、普段の生活を維持することが難しく感じるような時は相談する時なのかもしれません。一歩とは言わず、半歩くらい踏み出す気持ちで、行動してもらえたらと思います」 また、周りにいる人に対しては、「まずは本人の様子がいつもと違うと感じたときに、声をかけてみてください『今日はいつもと様子が違うね』など、相手を気にかけるような言葉をかけてみていただくと良いかもしれません」と強調します。 中川さんは、「死にたい」という言葉の裏に「今の状況から逃れたい」や「助けてほしい」といった悲鳴に似た気持ちがあることを多くの人に知ってほしいと感じています。 「相談を受けた側も、『自分がなんとかしないと』と思って一人で抱え込みすぎないことも大切なことです。ぜひ相談窓口に繋げるなど専門家を頼っていただきたいです」 ※この記事はMedical DOCとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。