「またねトゥインゴ」ルノー トゥインゴへのオマージュ We miss you…
このとっても素敵な3代目のトゥインゴ、もうじきなくなっちゃうのかぁ。ハイブリッドだBEVだ、安全デバイスだ、という昨今の急激な時代の流れとは無常なものである。まだまだ魅力も実力も十分以上だし、人を幸せにするための自動車が、これ以上複雑に高性能な方向で進化する必要があるのだろうか、無理に環境という大義名分のもとに、重くいびつな形に変えられていくことはいったい誰のためなのだろう? そんな哲学的なことさえ、シンプルで軽く、心をふんわりとさせてくれる色に塗られたトゥインゴに語りかけられたような気がした。 アウトビルトジャパンのコンテンツ『「ルノー トゥインゴ」が電気自動車に生まれ変わって戻って来る 「E-トゥインゴ」はエントリー価格もリーズナブル』でも報告済みだが、1993年に発表されたトゥインゴは31年の間に3世代を経たのち、2026年にはBEVとして「トゥインゴ レジェンド」が発表される予定となっている。形はあの初代のカエルの雰囲気のオマージュで、個人的には好感と期待の持てる一台だ。時代の最先端を見つめながら、自動車と東京と美味しいものを愛し、さわやかに駆け抜けていってしまったトゥインゴ愛用者だった彼が、新時代のBEVトゥインゴを見たらどう言うだろう。 「時間は止まらず流れていくものですし、自動車も変化していくでしょう?どういうパワーユニットになっても、きっとトゥインゴは楽しい車ですよ。BEVのトゥインゴに乗ったら、ぜひどんなだったか教えてくださいね」。都会のど真ん中に浮かんだ白い雲の上から、そんな声が聞こえるような気がした。緑色のトゥインゴが、洒落た音楽を流しながら全開で東奔西走していたのが昨日のことに思えてならない。 トゥインゴ、またね。 Text&photo:大林晃平 / アウトビルトジャパン
大林晃平 / アウトビルトジャパン