「またねトゥインゴ」ルノー トゥインゴへのオマージュ We miss you…
リアからのエンジン音とトラクションを感じつつ、軽く小回りの利くステアリングを駆使してきびきびと走る、このちょっとだけ落ち着かないけれど軽快なトゥインゴの感じは・・・。当たり前かもしれないが、スマートにそっくりだという結論になった。それも3代目のスマートだけでなく、初代、あるいは2世代目のスマート(for two)にも似た感じであったのがなんとも面白く興味深かった。 それにしても自動車のサイズって大切だなぁ、周囲をSUVに取り囲まれながら走っていると、あんなに大きく重いことが、街を行く自動車に必要なのだろうか、と改めて思う。 初代トゥインゴに圧倒的に負けているのがリアシートのスペースとカーゴスペース。特にリアシートはレッグルームも小さいし、かなり立った角度なので長時間大人4人はつらい。あくまでも前席優先で使う車、と考えるべき。初代トゥインゴは大人4人とたくさんの荷物を楽勝で詰めたのだが・・・。リアウインドーはUP!4ドアと同じで、下降せず外に開くのみ。
カーゴルームの大きさをわかりやすくするために、A4サイズの雑誌を置いてみた。スペースとしてはまあまあだが、床下のエンジンの熱でかなり温度があがってしまうため、生もの搭載は避けるべき。ピザ屋の配達車なら保温できるので適当かもしれない。 あっという間に夕暮れを超えて夜の帳がおり始めた高速道路に上がると、トゥインゴはさっきまでの印象とはまた違った面を見せてきた。ちょうど1トンとは思えないほど落ち着き、荒れた路面をものともせず、目的地までびしっとまっすぐ駆け抜けていく高速性能は、高速性能ではUP!と比べてもまったく遜色のないものだった。しいて言えばUP!が安定と落ち着きを重視し路面を離さないようにして走る感じならば、こちらはふわっと軽く浮遊したまま軽やかに滑走するような違いである。
あれだけ乗る前には、初代トゥインゴの残像を引きずらないように、と心に決めて運転しているはずなのに、速度があがればあがるほど妙に安定し、同乗者を楽しさと幸せに包みながら目的地まで駆け抜けていく感じ、そこに見えたのは間違いなく初代のトゥインゴと同じ温度と香りだった。 さっきまでの小さいサイズという言葉は頭の中から消え、本当に0.9リットルで68kw(92ps)、135MNのほぼ1000㎏という車なのだろうかと不思議に思うほどの高速性能である。ポジショニングランプ兼用のウインカーはしっかりとLEDのくせに、肝心のヘッドランプがハロゲンというのには最初は笑ってしまったが、かなり荒れた路面状況にもものともせず、フラットだがどこかに浮遊感さえ感じながら、ハロゲンの優しい光に照らし出される路面を見ていたら、初代のトゥインゴの姿が心に浮かんできた。