「またねトゥインゴ」ルノー トゥインゴへのオマージュ We miss you…
それでも絶対的に小さいことは本当にありがたいし、特に全幅はぜひこのサイズのままでルノーにも次期モデルを継続開発してもらいたいと願う。 助手席も含めてフロントシートに座っている限りは快適満点なトゥインゴではあるが、初代及び2代目トゥインゴに比べて敗北している点がある。それはリアシートスペースで、大人にはレッグスペースは必要最小限だし、かなり立ったシートバックと、開かないリアウインドーとも相まって長時間をここで過ごすことはかなりの難行となると思う。それでもこのサイズにも関わらず後ろにドアがついていることは圧倒的に便利だし、ドアのノブにトゥインゴの絵がレリーフで描かれているなど、少しでも使いやすさを向上させるように努力したり、楽しく演出したりしようという設計者の良心は感じられた。 同様にリアにエンジンを積むという物理的な関係から、カーゴスペースも初代、および2代目トゥインゴから比べるとはっきり言って狭い。実際に普段使いで買い物などの荷物を搭載するには十分とはいえるが、一点だけ気をつけなくてはいけないことがあり、床がエンジンの熱で暖かくなるということを忘れてはならない。生鮮食品などをそのまま積むことは避けるべきだし、真夏にはどうなるのか、ちょっと心配な点ではある。 リアからののどかなエンジンサウンドを聞きながら、いつもよりゆっくりとトゥインゴを走らせていると、心のどこかで何かがほどけるような優しい気持ちになる。試乗したのは北風の強い寒い日であったが、乗り込んですぐに強力なシートヒーターが身体を暖めてくれることを感じながら、足元に心地よい温風が噴出した瞬間、ああ自動車はありがたい、と心からトゥインゴに感謝した。 さて快適にちょこまかと走りながら、頭の中で同じセグメント競合車と比べると、フォルクスワーゲンUP!に対しては、圧倒的に主にトランスミッションの洗練性などでトゥインゴは優位にたつものの、スペースユーティリティの面では(主にリアシートの居住性とトランクスペース)で完敗。フィアット500と並べるとやはりトランスミッションと最小回転半径の部分では圧勝するものの、乗り心地の面では500のたおやかな感じには負け、特にツインエアに対してはエンジンの個性で劣るといったところだろうか。