米メディアも森会長の女性蔑視発言を問題視「日本のSNSでは辞任を求める声」「彼の失言は初めてではない」
ニューヨークポスト紙も、「森氏が論議を呼ぶ発言をするのは初めての事ではない」と伝え「森氏は、火曜日(2日)に新型コロナウイルスの感染拡大で延期された東京五輪を『パンデミックがどのようになっていようと必ずこの夏に(五輪を)開催する』と語った」と、五輪に関する問題発言と結び付けて報道した。 一般紙だけでなく経済専門誌のフォーブス誌も、「東京五輪のトップが、女性は話し過ぎると考えている。ただリサーチは決してそうではないことを示している」との見出しで、森会長の発言に関するニュースを取り上げた。 記事は、「東京五輪組織委員会の森喜朗会長は、女性が延々と長引く会議の原因にあると信じている。彼が考える女性は、話し過ぎ、これに『困る』と理解している」と紹介。「彼の性的な洞察はそこで止まらない。彼は女性の競争意識が高く、このことが女性の多く話す気持ちを掻き立てていると考えている。しかし、リサーチでは、森氏が両方の論点で間違っていることを表している。女性が話好きという固定観念があるが、男性の方がより競争意識が高く多く話す傾向がある」と、データをもとに論理的に森発言の中身を否定した。 またスポーツを取り扱うUSAトゥデイ紙は、森会長の女性蔑視発言を取り上げた上で「森氏の発言は1年延期された東京五輪へ向けて五輪主催者が新型コロナウイルス対策をまとめて発表し世論の信頼を得ようと慎重を要する時期にもたらされた」と報道した。 東京五輪の組織委員会は、3日、感染予防策の指針を定めた「プレーブック」の初版を発表したが、そのタイミングと“失言”を結びつけ、「日本は多くの国に比べて新型コロナに良く立ち向かっているが、この1カ月間で感染者は急増、国内の多くの地域が緊急事態宣言下にある。それでも国際オリンピック委員会(IOC)や日本のパートナーは東京五輪を予定通りに7月23日に始める姿勢でいる」と批判的なニュアンスで伝えた。 森会長は2日の自民党のスポーツ立国調査会オリ・パラ実施本部の合同役員幹部会で「一番大きな問題は世論がどういうふうに五輪を考えているか」と発言して物議をかもした。 東京五輪の開催是非の論争が国際的に広がっている現状において、東京五輪の組織委員会のトップである森会長の“失言”が、世論を開催反対へ導く一番の大きなマイナスポイントになりそうだ。