英紙の東京五輪中止報道が波紋…世界陸連トップは「無観客開催しかない」、豪州首相は「日本に五輪中止のプレッシャー」
新型コロナの感染拡大を受けて開催が危ぶまれている東京五輪について英タイムズ紙が「政府が東京五輪中止を内密に決定」という衝撃記事を掲載したことの余波が世界中に広がり、各国の要人らが続々とコメントや意見を発信している。 世界陸連の会長で、ロンドン五輪の大会組織委員会の会長を務めたセバスチャン・コー氏は、BBCの取材に対し、「延期された東京五輪が、今年日本で開催されるのであれば、無観客でなければならないのかもしれない」と注目の発言を行った。 コー氏は、「五輪には(観客席に)ファンがいて、騒がしく情熱的であってほしいが、無観客が開催への唯一の方法であれば、全員がそれを受け入れると思う」とコメントした。 さらに「もし大会が中止された場合、東京が五輪を3年以内に開催するためにパリ2024とロサンゼルス2028を延期させることは現実的な解決策ではない」とも語った。 記事を掲載したBBCは、「世界陸連の(コー)会長は(五輪)中止が結論づけられたとの英タイムズ紙の報道にもかかわらず、五輪とパラリンピックが開催できるだろうと自信を保っている」との見解を示した。 また英国オリンピック委員会のトップ、アンディ・アンソン氏も、BBCのラジオで「プランBはない。大会が計画通りに開催されると耳にしている」と語った。 同氏は、「雑音は選手たちの助けにはならない。彼らは五輪への準備に集中している。我々はIOCと東京から大会は予定通りに開催すると一貫して聞いている。どのように(開催)するかという問題があるだけだ」ともコメント。大会中止説を否定した。 BBCは、「日本政府は、東京五輪は計画通り開催されるだろうと説明した。金曜日のタイムズの記事は真実ではないとも語った。この記事は東京五輪の開催に疑問を投げかけるものとしては決して最初のものではない。ただ、日本で新型コロナウイルスの新たな感染者が1日5000人以上出ている中で、世論は今年の五輪開催に対して強固に反対している」と東京特派員の分析をつけ加えている。