五輪開催「ワクチンを前提とせず」 組織委・武藤事務総長
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は28日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長とテレビ電話会議を行い、夏の大会成功に向けて情報交換した。その後、森会長とともに記者会見した武藤敏郎事務総長は、会談内で日本国内での新型コロナウイルス用のワクチン接種状況に話が及んだことを報告した。
武藤氏は、「バッハ会長がワクチンの日本での接種進捗状況がどういうことなのかという話だったので、いますでに政府の方から発表されている日程、2月下旬から医療関係者から接種を開始しますという話をした」と説明。バッハ会長は「ワクチンの接種が大いに進んで、日本でできるだけ大勢の人ができるだけ早く接種していただけることを期待したい」と語ったという。 記者からは、ワクチンが日本国内で全人口に行き渡らない状況でも開催するのか、との質問も出たが、「われわれは昨年以来、このコロナのもとでのオリパラの開催のためにはどういう条件が必要か、どういうことをやったらいいのかということを散々議論してきた。その際にはワクチンというものを前提とせずに開催できるための検討を続けてきた」と返答。「もちろん、できるだけ多く人に接種させることが好ましい影響を及ぼしてくれるとは思うが、われわれは仮にワクチンがない場合でも開催できることを前提に議論してきた」と語った。