70歳エッセイストが<大きいフライパン>を手放したら断然調理が楽しくなり…「何かをやめることで、生まれるものもある」
総務省の発表によると、2023年の70歳以上人口の割合は23.2%だったそう。約4人に1人が70歳以上であるなか、70歳を迎えたエッセイストの中山庸子さんは「したくないことや嫌いなものを明るくやめれば、新しい幸せが作れる」と語ります。そこで今回は、中山さんが「これってやめていいんじゃない」を100個ピックアップした著書『やめると人生ラクになる 70歳を越えたらやめたい100のこと』の中から一部を抜粋してご紹介します。 【書影】長年溜まりに溜まった、人生と暮らしの垢落とし。中山庸子『やめると人生ラクになる 70歳を越えたらやめたい100のこと』 * * * * * * * ◆揚げ物をする 負担なく、食べたいものを食べたい分量 「そのつど持ち上げるのが大変だから」と、大きいサイズの揚げ油を買うのをやめました。 そしたら、自然に揚げ物をせずに済むようになりました(ちょっと悪知恵)。 正直に言って、天ぷらは昔から得意じゃなかった。 我慢して揚げていると、油の匂いで気持ち悪くなって、自分は食べられなかったりしました。 トンカツ、フライ系はもっと面倒。唐揚げはまだラクだけれど、もう老夫婦はほぼ食べたくならない。
◆揚げ物が食べたいときは 今は揚げ物が食べたい場合はこの三つから選びます。 (1)デパ地下で買う (2)食材宅配サービスの冷凍食品にチェックマーク (3)「たまにだから」と外で食べる デパ地下のお惣菜類は、決して安くないけれど、揚げ物類のコスパはいいと感じる私。量もそんなにいらないので、食べたいものだけを少量買います。 宅配は、主に重たいお米や根菜類、それと冷凍品を注文しているのですが、かき揚げ丼セットとか、めっちゃ便利です。かき揚げ苦手だったから、本当にありがたいです。おいしいたれもついているし。 で、三つめが外食ですが、もうトンカツ屋さんは一人前完食できないから行かないし、天ぷらも専門店で食べるよりお蕎麦屋さんが多いかな。 天ざるもいいし、先に少し季節の天ぷらつまんで、しめにせいろ。 書いているうちに、お蕎麦が食べたくなってきました。 いずれにせよ、大きめ天ぷら油がキッチンから姿を消して、私の場合は断然プレッシャーなく料理ができるようになりました。
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