「そんなの関係ねえ!」今は悩みを抱えた子どもに寄り添う"海パンおじさん" 小島よしお
今年4月に「こども家庭庁」が新設されてから半年が経った。いじめや不登校、学業など子どもが抱える問題はつきないが、それほど深刻な事例でなくても子育てに悩む親は多い。「自分は子ども向けのキャラクターでいたい」と語るお笑い芸人の小島よしおさん(42)は世代を超えて子どもたちに大人気の存在だ。「そんなの関係ねえ!」のお兄さんは、イベントなどで、これまで多くの子どもたちとじかに接してきた。「寄り添う気持ち」になろうと心がけているという小島さんに、子どもたちとのコミュニケーションの秘訣を聞いた。 (ジャーナリスト・中村竜太郎/Yahoo!ニュース Voice)
子どもたちの悩みに「そうだよね」「わかるよ」と寄り添うことが大事
――「そんなの関係ねえ!」は過去のブームを知らない子どもたちにウケているそうですね。 16年前と同じでなぜウケるのかわかりません。子どもたちからすれば見たことない“海パンおじさん”。親御さんは心配かもしれませんが、あれをやると子どもたちが真似してくれるのはとても嬉しいです。 先輩のアドバイスで2011年に子ども向けにライブを始めたのがきっかけなのですが、当初はステージの暗転で子どもが泣いてしまったり、予想外のハプニングばかり。試行錯誤のすえ鉄板ネタになったのがヒーローショーです。作り物のバナナをお尻に隠して「どこなんだろう?」と探すと、「うしろ、うしろ~」と子どもたちが爆笑して教えてくれる。これはドリフがお手本ですね(笑)。 ――教育系YouTubeも1位に。雑誌で子ども向けの人生相談もされていますが、実際にやってみてどうですか。 すごく勉強になりますね。昔はお悩み相談をされても、これだという答えを最短距離で出してしまっていた。「算数の問題がわかりません」という相談があったら、昔だったら、「ちゃんと読めばわかるよ」と答えていたと思います。でも、子どもたちに向き合うなかで、そうじゃないんじゃないかって思うようになりました。子どもたちの悩みに「そうだよね」「わかるよ」と寄り添うことが大事だということに気づいたんです。大人だって、わかっているけどできないことはたくさんあるし、子どもはなおさらです。はたから見れば当たり前のようなことでも、その子にとっては一番の悩みだったりする。だから僕は、まずその子と一緒の気持ちになろうと心がけました。