リメイクが繰り返される秀逸映画5選!
『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008年)をリメイク!『モールス』
リメイク作品と聞くと、オリジナルがメジャーな知名度を誇るケースを思い浮かべやすいが、カルト的に愛された作品がすぐに新たな映画になることもある。アメリカ以外の人気作→アメリカ映画、という流れが多い。『モールス』は、その代表例。2008年のスウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』は世界中で絶賛され、2010年の日本での公開時にも映画ファンから熱い支持を受けた。孤独な少年がヴァンパイアの少女と友人になるが、彼女は200年も生き続けていた……という物語。残酷な描写と繊細な感情のブレンドで、えもいわれぬ世界観を創り出した作品が、2010年に早くもアメリカでリメイクされた。『モールス』という邦題で翌2011年に日本で公開。 ヴァンパイアのヒロイン、アビーを演じたのが当時、『キック・アス』などで人気が最高潮に達していたクロエ・グレース・モレッツ。キュートさと恐ろしさの両面を表現し、ハマリ役であった。オリジナル版の日本公開では重要な描写でボカシが入ったことで物議を呼んだが、リメイク版はまた違った恐怖と悲しさも伝わってくる。キャストの魅力も含め、ほぼ同時期に作られた2つの映画ということで、ここまで観比べる面白さに溢れた作品も珍しい。
文=斉藤博昭 text : Hiroaki Saito