明日大阪大会開幕…10年ぶり甲子園狙う東大阪大柏原に「大谷翔平伝説」に重なる“二刀流ドラフト隠し玉”の野村和輝あり!
今秋ドラフトの”隠し玉”が明日16日開幕の「第103回全国高校野球選手権大阪大会」を心待ちにしている。東大阪大柏原の野村和輝(3年)は最速145キロ右腕にして、高校通算20発のスラッガー。10年ぶり2度目となる甲子園出場を狙うチームのキーマンは「監督を男にして、プロに行く。投打ともやれる自信がある」と意気込む。初戦は22日、かわち野―八尾北の勝者。“浪速の二刀流”が“戦国の大阪”で旋風を巻き起こすかもしれない。
通算20本アーチ&最速145キロ
”隠し玉”がベールを脱ぐ日が近づいている。 今年からシード制が導入された大阪大会は16日に開幕(8月1日決勝)し、2年ぶりに熱い夏が帰ってくる。大阪桐蔭や履正社のいる“戦国大阪”を勝ち抜き甲子園出場を狙う東大阪大柏原の命運を握るのが、野村投手兼一塁手。将来性豊かな投打の二刀流で、すでにプロ8球団が注目しているという。背番号「15」をつけていた頃から、そのポテンシャルはチェックされていた。182センチ、90キロの堂々とした体格。打撃練習を見れば、遠くからでもひと目で分かる。広角に打ち分ける技術があり、木製バットを使用していても打球のスピードは群を抜く。ユニホームの太ももあたりは鍛え抜かれてパンパン。それでいて立ち姿のバランスがいい。一流アスリートの証しではないか。話しっぷりも実に明朗快活だった。 「最後の夏に向け、少しずつ調子が上がってきています。あとは心を整え、1球1球雑にならないように取り組んでいきたい」 ここにきて打撃面の成長が顕著だ。 緊急事態宣言が明けた6月26日、27日には同校グラウンドで練習試合を3試合行い、大商大堺戦、大商大高戦で2試合連発。新型コロナ禍により、実戦が少ない中で高校通算本塁打を区切りの20発に乗せた。 「ボールを正確にとらえる感覚のようなものをつかんだ。右でも左でもセンター方向へもホームランを打てる。打球を遠くに飛ばす自信はあります。監督には”中軸を打つ打者は弱みを見せずに堂々と振る舞い、プレッシャーを乗り越えないといけない。そうすれば、上(プロ)でもできるよ”と言われ続けています」 3月には市立和歌山と練習試合で対戦。センバツに出場したドラフト1位候補、小園健太投手との対戦はなかったが、控え投手から2打席連発を放った。 「速い球の方が得意なぐらい。小園からも打ちたかった」という。 投手としての才能も非凡だ。その市立和歌山戦では”紀州のドカベン”松川虎生捕手から3球三振を奪った。最速145キロの直球にスライダー、スプリット、フォークと投げ分ける。「コントロールはどう?」と聞くと「いいです。自信あります」と即答した。現在はチーム事情や複数投手制の観点から一塁へコンバートされているが、3月の日本航空石川との練習試合では9回2失点で完投勝利している。 ただ今年の春季大会では、1年夏に3回戦で敗れた近大付を相手に先発を任されながら2回KO。1-11で大敗しベスト16で姿を消した。今夏に向けて教訓を得た。