ネオシンガーソングライターSGが目指すもの「人が生きていくためのBGMになりたい」
いろんなものとの出会いと別れを繰り返した方がいい
――学生を卒業する前にこれはやっておいたほうがいい、というものは先輩という立場からありますか? その学校でしか得られない環境があるじゃないですか。それぞれが、その場所でしか手に入れられないものに関しては全部手に入れてから卒業してほしいですね。 環境って自分で選べるものもあれば、選べないものってあるわけじゃないですか。僕は中学ぐらいから日本に来てるんですけど、自分が韓国にいるという環境を自分で選ぶこともできたかもしれないけど、日本に行きたい、という環境を選んだ。自分が選べない環境であっても、選べる環境であっても、友達も、嫌いなやつでもいいんですけど、経験を積み重ねた方が次に繋げられるのかな、と思っています。結局、いろんなものとの出会いと別れを繰り返した方がいいですよね。 ――ある環境に身を置いたときに、自分には向かない場合が学生さんもあると思うんですけど、SGさんはそういう状況になったときもポジティブに変換して、何かを得ていこう、と思えるタイプですか? 人それぞれ簡単に環境を変えられない事情もあるとは思うんですけど、自分は逃げます。やめます。向いてないな、自分がこの環境に適してないな、となったら、違う環境を選びます。 でも、学生さんが卒業するまでは、その学校の環境だったり、周りの人たちとの出会いだったりっていうのを、思い出としてずっと残していくことも大事だな、とは思っているんですけど。 こうやって学生さんたちに愛されるような曲を書いているんですけど、僕は卒業したことがないんですよ。ちゃんと部活したこともないし、卒業式に出られたこともないし。そんな僕が卒業ソングを歌っているのって、結構アイロニーなんですよね。僕なんかが本当に学生のみなさんの青春に寄り添えているのか、疑問に思うこともありました。 ですが今は僕なりに、みんなもどんな逆境であっても、無理して乗り越える必要ないよって伝えたいです。その環境でしか得られないものをとことん楽しんでほしいなって思います。 取材・文/ふくだりょうこ 【プロフィール】 SG(読み:エスジー) 日韓ミックスのネオシンガーソングライター、SG(エスジー)。韓国・仁川出身、日本のカルチャーに惹かれて仙台に留学し、生涯の半分ずつを日本と韓国で過ごす。J-POPとK-POPの垣根を超えて、日本語と韓国語を織り交ぜて歌う独自のスタイルが人気を博し、TikTokフォロワー84万人、YouTube登録者数43万人、総再生数6億回を突破。2021年4月にリリースした『僕らまた』は「令和の卒業ソング」として広がりロングヒット、ストリーミング累計1.5億回再生を突破した。2023年11月にメジャーデビューしたばかりの、今最も勢いのあるアーティストの1人。 【リリース概要】 11月25日(月) New Digital Single 「僕らまた (吹奏楽 ver.)」