長岡望悠、石井優希が躍動 女子バレー「久光製薬」5連覇
長岡望悠、石井優希が躍動 女子バレー「久光製薬」5連覇 THEPAGE大阪
バレーボールの日本一決定戦、天皇杯・皇后杯 全日本選手権大会の決勝が25日、東京・大田区総合体育館で行われ、女子は久光製薬(サブホームタウン:兵庫県神戸市)が日立をストレートで破り5連覇を達成した(現全日本選手権としては6度目の優勝)。男子は東レが豊田合成を破り3年ぶりの優勝。
スタンドで見守る中田久美総監督も笑顔
2枚替えで入った野本梨佳のアタックが決まり、5連覇が決まった瞬間、久光製薬の選手たちはコートで跳びはねた。ベンチの選手たちも集まってくる。歓喜と笑顔の輪が広がった。スタンドで見守る中田久美総監督(日本代表監督)にも手を挙げてハイタッチのポーズ。中田総監督も嬉しそうに手を振った。 「ホッとしました。選手、スタッフ頑張ってくれたと思います」と今季から指揮を執る酒井新悟監督が安堵の表情を見せれば、「目の前の1試合に集中して戦ってきた結果」と22得点を挙げチームを牽引した新キャプテンの長岡望悠。 「5連覇のプレッシャーはありました。勝つことができてホッとしたのと嬉しい気持ちです」と司令塔の中大路絢野。「試合前に選手で円陣を組んだときに、『優勝にふさわしいチームが勝つ』という言葉が出て闘志がわきました。これまでの経験がこの優勝につながったと思います」と石井優希も笑顔を見せた。
皇后杯は逃せないタイトル
決勝のカードは12月11日、今年のV・プレミアリーグ最終戦で苦杯をなめさせられた日立。久光製薬にとってはその日はホームゲームだった(佐賀)。 その試合で調子が上がらず途中交代になり、「自分のせいで負けた」と悔しがった石井優希が、この日の決勝では借りを返すかのように序盤から思い切りのいいアタックで得点を重ねると、足を痛めた岩坂名奈に代わり途中から先発出場しているミドルブロッカー水田祐未も日立の速い攻撃にきっちりついてキルブロック(久光製薬のブロックは12得点)。サーブで攻めブロックでしとめる久光の強み「サーブ&ブロック」が出た。 また攻撃面では、セッターの中大路絢野がバランスよくトスをちらし相手ブロッカーに的を絞らせない。終始、久光が「やりたいバレー」を展開し、日立にバレーをさせなかった。「1本目(サーブレシーブ)がきれいに入ってきていたので、スパーカーの力を活かせたと思う」とセッターの中大路絢野も納得の表情を見せた。 「世界に通用するバレーを」。日本の代表として世界クラブ選手権などにも出場する久光製薬にとって国内ナンバー1を決める皇后杯は逃せないタイトルだ。 東京五輪へリスタートとなる今季、日本代表監督に内定した中田久美総監督からバトンを受け継いだ酒井新悟監督、新キャプテンの長岡望悠を中心に「久光製薬スプリングス第2章」がスタート。実は中田久美総監督が監督に就任した年に天皇杯・皇后杯でタイトルを取ったことが自信となり、チームが勢いづいた。しかも2016年の締めくくり。ここで勝てば、V・プレミアリーグ連覇が見えてくるばかりか、チームの自信になりステップアップとなる。 「酒井新悟監督もプレッシャーを感じていると思うので、私たちがしっかりやって結果的に5連覇できるように。今年(2016年)をいい結果で締めくくりたいので負けたくない」(石井優希)、「一戦一戦に全力を出し切ることが大事、今年最後の試合でもあるので、集中して悔いのないように大事に戦って勝っていきたい」(新鍋理沙)と決意を述べていた。