「わがままな障がい者」と言われ炎上。それでも発信を続けて、つくりたい世界とは?
声を上げるときはいつも悩む。 何かが変わるかもと思って 勇気を出す
「インフルエンサーとして発信するのはやりがいがあって楽しい反面、厳しい批判や心無い言葉をかけられることもあります。24年の春にはよく行く映画館での車椅子の介助について発信したSNSが炎上して、猛烈なアンチコメントの嵐に心底落ち込みました」 しかしその後、映画館側とバリアフリーについて話す機会を得て、スロープや車椅子席が新たに設置されました。 「車椅子でもみんなと同じように映画を楽しめたらという思いが届いたようで。感激で涙がとまりませんでした」 また炎上するかもと悩みつつ、思いきって後日談を発信。すると「よかったですね」「声を上げてくれてありがとう」といったコメントが続々届き、勇気を出してよかったと安堵したそう。 「何かを伝えるのってすごく難しい。どうすれば誰も傷つけずに考えや思いを真っすぐ届けられるか、いつも悩みます。でもスロープなどの環境面だけではなく、社会や人の心こそバリアフリーになってほしいから、これからも発信し続けたいです」
もし、街で車椅子の人に出会ったら?
「何をしていいのかわからない」「声を掛けたら失礼?」そんなふうに迷う人に。中嶋さんに、声掛けのワンポイントを聞いてみました ●声を掛けて もらえるのは、嬉しい 「なぜ車椅子なの?」という素朴な質問も中嶋さんはウェルカム。子どもからのストレートな言葉もOKです ●「何かお手伝い しましょうか?」は、 嬉しい 声を掛けてもらえたら、ドアを開けてもらったり、ちょっとしたことをお願いしやすくて助かります ●平気なように見えても、 辛いことがある 自分から助けを頼むほどではなくても、実はこっそり辛いと思っていることも。特にこんなところだそう ・上り坂 坂道を自転車で上るときの腕バージョン。地味にきつい ・段差 案外あちこちに段差ってある。スロープが遠かったり、傾斜がきついことも ・エレベーター 混んでいると、ずっと見送るしかなかったり、降りるタイミングが難しかったり。優先エレベーターはゆずってもらえるたらうれしいな ・電車の乗り降り 駅員さんが用意してくれるスロープを待つと20分くらいかかることも。ホームと電車のすき間が小さい駅なら、自分で乗っちゃいたいときもある。お手伝いしてくれる人がいると乗れるんです(無理はしなくてOK。安全に不安を感じたら駅員さんを呼んで) ベビーカーを押したり手伝ったりするのに近いかも。声をかけたら、役に立てることがありそう 撮影/林ひろし 取材・文/松沢陽子 企画・構成/飯塚真希(サンキュ!編集部) ※記事は「サンキュ!」2025年1月号(24年11月25日発売)に掲載のものを一部加筆・修正しています。内容は本誌校了時(24年10月現在)のものです
サンキュ!編集部