ルノーが考えた失業問題解決へのアイデアとは? カンヌライオンズ2024に学ぶ 企業の社会課題解決3つのパターン
課題を抱える現代社会に生きる人々に 価値を提供する企業
河尻氏は広告に3つの機能があると指摘する。1つ目は商品やサービスについて知らせ、セールスを促進する機能。2つ目は企業の社会的な在り方を示す機能。いわば自己紹介、企業のアイデンティティーを形成するためのブランディングで、消費者とのより良いコミュニケーションにつながる。カンヌライオンズはこうした「自分たちが伝えたいことを伝える好事例」の宝庫だ。「カンヌライオンズは自分たちの企業、ブランドが何なのか、掘り下げて突き詰めて考える機会になる」と河尻氏は言う。 広告の機能の3つ目は「広告は社会を映す鏡」ともいわれる部分で、時代や文化、暮らしの「現在地」をジャーナリスティックに表現する機能だという。自分たちの企業、ブランドを突き詰めて考えると、おのずと社会と深く向き合うことになるわけだ。現代社会が課題を抱え、そこに生きる人々に対して価値を提供できる企業であるためには、カンヌライオンズのハイレベルな戦いを勝ち抜いた受賞作から学ぶべきことは多くある。 (若狭美緒)